ついに最終回!

『わたし、定時で帰ります。』巧がダメ男に陥る一方で、種田が大天使化!視聴者全員ノックアウトの大円団!!

 今季大注目のドラマ、『わたし、定時で帰ります。』第10 話がオンエアされた。

 巧(中丸雄一)に「結衣ちゃんとは結婚できない…」と告げられ、途方に暮れる結衣(吉高由里子)。
 そんな中、外注先が倒産し制作4部のメンバーは窮地に陥る。
 さらに「星印工場」から呼び出された晃太郎(向井理)は契約を進める条件として、福永(ユースケ・サンタマリア)を案件から外すことを要求される。
 その事を聞いた結衣は、ついに福永と対決するが…果たして結衣はチームを守ることができるのか?

 定時の女が最後に選ぶ、新時代の働き方とはーー、そして巧との関係、晃太郎との恋の行方は?

 地震のため定時での終了が出来なかった先週。全日本国民がこのドラマの結末を1週間待っていた。

 「結婚できない」と告げた巧の真意は、会社の先輩と浮気をしたから……とのこと。初期のいい彼氏だった巧はどこへ行った? ここ数話では、勝手にお高めの部屋に決めて引っ越したり、結衣がどんなに「巧が好きだよ」と告げても種田さんとの関係を疑って怒ったり、挙句の果てには浮気だと…!?

 一方的に別れを告げて既読スルーを繰り返す巧に、ただでさえ仕事で追い込まれている結衣は精神的にもボロボロになっていく。なんで結衣がこんなに下手に出ないといけないのかと思わされるほど、巧の仕打ちにはがっかりしてしまった。10話に収めるためとはいえ、もっと落としどころはあったのではないか。すれ違いから別れまでがかなり駆け足で、巧が突然変異したひどい男に見えてしまう。結衣は、相手の都合がいい部分ばっかり見てたから気付けなかった、と言っていたが、こればっかりは彼女が悪いとは思えなかった。

 モンスター上司にも鉄槌が下る。世間は狭いもので、取引先の新しい責任者は福永がつぶした会社に勤めていた人物で、福永がいる場合は取引を断る旨を伝えてくる。プロジェクトの成功のため、福永を降ろすことを伝えるが……。

 これまでの振る舞いから福永への同情は全くなかったのだが、人にはそれぞれの事情がある。福永にだって人生がある。そこに至る過程がある。大事なものを守ろうとしたことも、そのために何かを犠牲にしたことも山ほどあった。

「あー疲れた」

 そうつぶやいた福永の言葉がとてもとても重く、彼が彼なりにもがいていたことを教えてくれた。

 ひとつずつ問題が片付いても、納期は待ってくれない。ラストスパートをかけるチームの中、相変わらず種田のオーバーワークっぷりが際立つようになってきた。過去、倒れたときとダブる働きように、ついに弟の愁まで結衣を頼ってくるほど。これをきっかけに結衣はある決意をする。それは、自社の社長に直談判をすること。社長のランニングコースに乱入して、自分の思いを伝え、その結果強力な助っ人を得る事に成功した。

 助っ人も入り、追い込みの休日出勤。各自に休憩を適宜とることを徹底させていたはずなのに、結衣は休憩と偽り別の部屋で仕事を続け、自分を追い込んだ。それは父や種田のような仕事人間の気持ちを理解しようという思いからだったが、やはり無理が祟り、納期を目前にして倒れてしまう。目が覚めた時には納期も終わり、1日半も眠りこんでいた。

 はい。ここで待ってました、種田タイム。回を追うごとにかわいさを増していた種田晃太郎。最終回で過去最高の種田を出してきた。

 結衣が目を覚ましたとき、枕元ですやすやと眠る天使・種田。目を覚ますとプンプンと結衣に無理をしたことに対しての小言を連ねる。どの口が言うのか。自分がいかに心配したか、この1日半生きた心地がしなかったこと、かつての結衣がどんな気持ちで自分に対して「休め」と言っていたのかが、やっと分かったと。ほっとしたのか、気が高ぶったのか……。目を真っ赤にして泣いてしまう種田に、「泣いてるの、初めてみた」と結衣が言う。どうしよう…種田がかわいすぎる。そこでとどめ。

「泣いてねーし」

 めっちゃ泣いてるのにーーーーーーーーー!!!!! 

 びっくりした。あまりのかわいさに呼吸が止まるかと思った。30代後半になるだろう種田がぶっきらぼうな少年みたいなことを言って、しかもそれが似合いすぎるっていう…何これ。

 仕事がメインのドラマの中で、恋愛パートの大部分は巧とのシーンが多く、種田とくっつくことはないかと思ってたが、結衣と晃太郎カップル、イチャイチャとしたラブシーンは最後まで見られなかった。しかし、最後の最後でイチャイチャよりも甘いラブシーンがあるのだということを見せてくれた。

 さりげなさを装って、精一杯伝えたんだろうなっていう種田の台詞の言い回しが最高だった。「前向きに検討します」といった結衣ちゃんと、早く一緒に住めるようになるといいね。

 本当に、種田晃太郎に向井理をキャスティングしてくれてありがとう。種田晃太郎という最高のキャラクターに感謝と愛が止まらない。

 このドラマの中でずっと語られていた「仕事」との付き合い方。なんのために自分が働いているかなんて、段々と考えなくなっていくかもしれない。しかし、自身の存在を認めてもらいたい、居場所を守りたいから、お金のため、家族のため、老後のため……仕事をするためには「自分」がいないと何も始まらない。どんな理由があっても、自分を大切にしないと仕事もそれ以外も何ひとつできないことは間違いがない。そんな簡単なことだが、忘れがちなことをこのドラマで結衣が教えてくれた。

 生きにくい現代。働き方改革が叫ばれているが、会社の制度はもとよりもそれぞれが「自分のため」に働こうとすることが大きな改革につながっていくのではないだろうか。

 仕事に疲れたとき、どうしていいか迷ったとき、そして種田不足が起こった時、またこのドラマを見返したい。本当に最高のドラマだった。今日は定時で帰りましょう。
(文=三澤凛)

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