『インハンド』まさかのご都合主義炸裂で興ざめ!?しかし濱田岳の魅力がそれを凌駕!ぜひ続編を!!

 山下智久主演サイエンス医療ミステリードラマ『インハンド』。第11話がオンエアされた。

 高家(濱田岳)の故郷・相羽村で新型エボラウイルスが発生し、日本中が大パニックに。高家と共に封鎖された相羽村に残った紐倉(山下智久)は、牧野(菜々緒)らと情報共有をしながら現地対策室で調査を始める。だが感染は日に日に拡大し、死者も増えていく一方だった。
 絶望的な状況の中、紐倉はワクチンの開発に取り掛かることに。必死に開発を進める紐倉だったが、ワクチンは完成しないままついに高家も感染してしまい…。

 とうとうやってきた『インハンド』最終回。ドラマ開始当初は風呂敷を広げすぎた感のある設定を不安視していた。しかし、回を追うごとに紐倉と高家の関係性や、虫や菌の人体に与える影響などを身近に知ることのできる内容が面白くなり、目が離せなくなっていった。

 今回は、紐倉の人生の中で大きなウィークポイントとなった新型エボラウイルスとの決着が描かれた。自他共に認める天才で変人の紐倉は、人に素直な気持ちを伝えることができないまま、ウイルスによって大切な理解者である入谷という助手を失った。そして今回も、新しい助手として掛けがえのない存在となった高家を新型エボラウイルスが襲う。

 閉鎖してからの経過日数が過ぎれば過ぎるほど死者が増えていく村の中で、初めて「誕生」という文字が足された。高家の幼馴染で元想い人の美薗が、エボラウイルスによって亡くなった恋人・棚橋の子供を産んだのだ。陣痛が始まったものの、逆子で帝王切開が必至。しかし、閉鎖された村には産婦人科医はいない。遠隔で東京の産婦人科医が監修のもと、高家が美薗の子供を取り上げることとなった。

 この閉ざされた空間の中での新しい命の誕生。死に怯える村民たちに大きな希望を与えた。きつい展開が続くドラマの中でも感動的なシーンだった。しかし、新しい命の誕生ののち高家の命が危険に冒される。誰よりも患者に寄り添っていた高家が新型エボラウイルスに感染してしまったのだ。

 ドラマの中で、特定のキャラクターが死ぬのは物語の展開上仕方ない。だけど高家、お前はダメだ。高家が死ぬのは本当にだめだ。それがどんなに感動的な展開だとしてもだ。この物語で、紐倉と牧野だけが残ってもギスギスするのが目に見えているし、紐倉ひとりでは物語は展開しない。高家の人柄と突っ込みは失われてはならないのだ。

 しかし、相手は新型エボラウイルス。メインキャラクターが感染したからといって、天才が研究したからといってタイムリミットの5日の間で解決法が見つかるならば、先に亡くなった300人近くが浮かばれない。

 感染5日目、タイムリミットを迎え「20年後も最高の助手と研究を続ける」という夢が潰えてしまった………と思ったが、ドラマで普段だったら興醒めする展開の代表格、生まれつき抗体となる菌を保有していたという設定が発動した。そう、高家の家の周りでは独特の手法で野菜を育てており、それを小さな頃から食していたおかげで新型エボラウイルスを弱体化させることができたのだ。今まで誰も越えられなかった5日間の壁を越え、紐倉の追い上げも手伝い新型エボラウイルスの脅威は去ったのだった……。

 いやー、もうこんな超展開本当に興醒めである。しかし、興醒めよりも高家の無事が大切だ。本当に一度死んでしまったのかと思っていたので滅茶苦茶に泣いてしまった。都合がよすぎる展開ではあったが、この都合の良さだけは許せてしまう。いままでだったら絶対怒って、ダメドラマ認定になっていたことだろう。ここまでこの展開すら愛しく思えたのも、高家というキャラクターとそれを演じた濱田岳の魅力だ。

 そして希望もあるのかもしれない。いま現在、コンゴでもエボラウイルスが大流行しているらしく、また今年には日本にもオリンピックに向けての対策の一環でエボラウイルスが日本に輸入されるらしい。

 新型エボラウイルスは番組の創作だとしても、その輸入したウイルスがドラマのように日本で拡散されることがあるかもしれないのだ。そんなとき、こんな未来があるかもしれないっていう希望になる。現実はそう上手くいかないことなんて百も承知だが、高家のような人が走り回って人を助けようとし、紐倉のような科学者が対策を究明しようと奮闘してくれ、サイエンスメディカル対策室のような政府機関が、必至に国民を救うために知恵を絞ってくれている。そう信じたいのだ。

 引っ張った割にさらっと3分ほどで終わったサイエンスメディカル対策室のスパイ問題は、大方の予想通り藤森慎吾が演じる御子柴だった。面白いくらいあっさりしていた。ネームバリュー的にもお前しかいないよ……。そしてただのスパイではなく自分の有利に動くために、あっさりそれも裏切るという腹黒ぶりだった。それもこれも牧野のため?? 恋愛要素が全くなかったドラマなのでその辺りはどうだったのだろうか…‥。

 最初はツンしかなかった紐倉博士。最後には高家が大好きなツンの中に隠しきれないデレが見え隠れするようになった。パスポートを手に入れた彼は、これで全国どこでも虫や菌を求めていくことができる。

 しかし、彼が行く場所は、念願の国境なき医師団になった高家の元なのだ。牧野も海外で活動することになったことを感がえると、海外を舞台にした続編か映画化などを期待してしまう。また、あの天才寄生虫学者と、その助手のドタバタ劇が見れることを楽しみにしたい。
(文=三澤凛)

インハンド

インハンド

視聴率は苦戦していたようだけど…

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