『さらざんまい』全てがつながるOPとケッピとサラの真の姿に驚愕の最終回!!

 目が離せないイクニワールド。『さらざんまい』の最終話十一皿目がオンエアされた。

 兄に導かれ、縁の外側を目指す悠。あとを追う一稀と燕太は悠を取り戻せるのか…?ケッピとカワウソの戦いの行方は?愛も嘘も欲望も、すべての痛みを共有してきた三人は、今何を願うのかー?辿り着いた場所で、三人は何を見るのか―?

 とうとう最終回!! 前回の怜央真武の最後から、今回は久慈を、繋がりを、取り戻せるのか……!?

 OPが無く始まる本編。縁の外側へと向かう久慈の隣には、亡くなったはずの兄・誓が…。どこか悪い雰囲気をまとっている。始めから無かったことにしてしまえば傷つくこともない、と過去の思い出をどんどんと銃で撃ちぬき「つながり」を無かったことにしていく。

 転校生として一稀と燕太の前に現れたと思っていた久慈は、その前からもう繋がりをもっていた。大事な繋がりを自分から壊そうするのは、傷つきたくないから。どこまでも自分の気持ちを犠牲にしていく久慈の姿が痛々しくてたまらない。しかし、そんな久慈が自分の意志で過去を撃ち、兄の残像を撃ちぬいた。

 そして、過去の自分を撃ちぬこうとしたとき、それを阻止するために一稀と燕太が飛び出してくる。「お前らには飽き飽きなんだよ」というこのときの表情が……!

 黒ケッピにより、過去の出会いの記憶はもとより、一緒に過ごした記憶が失われていく。それぞれが、ここではないどこかに行きたいと願い、誰かと繋がりたいと願い、この気持ちを忘れたくないと叫ぶ。そしてケッピも自分の欲望と向き合う時が来た、と最後の戦いが始まるのだった。

 もう、なんていうか言葉にならない。あらすじをつないでも仕方ない。

 「繋がりたいけど〇〇〇」と、繋がりたい気持ちと相反して繋がれない理由ばかりが先にたっていた。しかし、どんなに理由があっても「繋がりたい」を諦めないという道を選択した。この選択のための、いままでだったんだ。

 サッカーが好きな3人の共通の夢。もしかしたら起こりうるだろう未来のひとつ。どの未来を選んでも、どこかでほころぶことはあるかもしれない。だけど、「繋がりたい」は希望にも絶望にもつながることができる。

 ずっと、オープニングに違和感があった。ラストに3人が肩を並べて笑い合っている絵が本編からは想像できなかったからだ。しかし、もう…今回2回目の「お前らには飽き飽きなんだよ」の台詞を言ったときの久慈の表情が、ラストの「未来へ…」の文字が、この物語の全てはこのオープニングに詰まっていたことを教えてくれた。

 繋がりを断ち切っても何度でも「繋がりたい」という気持ちがあれば繋がることができる。それぞれが抱えていた過去を清算して、未来に笑いながら走っていく姿があのオープニングだったのだ。

 最初、エンディングの「スタンドバイミー」が流れたので、「まっさら」は流れないのかと思っていたのだが、ノーカットであのままオープニングを流してくれる演出……ありがとう!

 最終回、ぶん殴るようにこの物語の中心を見せつけてくれて他のことが色々大雑把だったが、一番驚いたのはケッピとサラちゃんの真実の姿だった。「え?!」と声が出てしまった。ケッピが絶望した本当の理由ってなんだったのだろう。そしてサラちゃんはどうして人間として、ご当地アイドルやっていたのだろう。さいごの怜央真武、人力車スタイルは一体?!

 幾原邦彦監督のアニメは初見だとポカンとしてしまう部分が多い。しかし繰り返し繰り返し見て、少しずつ掘り返して謎を解明していきたい。一瞬じゃ分からないところがたくさんある。未消化の部分を探すのも、イクニ作品の醍醐味だ。

 そして先週のオンエア後に怜央真武のツイートが変貌を遂げたように、今回も最終回を迎えた後に、公式Twitterが粋な変更がされていた。ぜひ確かめてもらいたい。こういう芸が細かいところも、視聴者が喜ぶポイントですよね。参加している、巻き込まれている感がある。

 かわいく、不思議で、難解だった『さらざんまい』。見れば見るほど謎が深まるこの作品の面白さはオンエアが終わっても終わらない。幾原監督の遺書と呼ばれている今作だが、これからももっともっとイクニ作品を生み出していってほしい。

 最高の作品ありがとう! さらざんまい!!
(文=三澤凛)

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