日本とは全然違う! 中国版のコミケ「COMICUP 魔都同人祭」の独特なルール 同人誌はあくまで“展示しているだけ”

■スマホ決済は必須

 準備のところでも書きましたが、スマホ決済は必須です。どこのサークルもQRコードを置いています。逆にいえば、これがないと、お金が受け取れないのでサークル参加はできません。

 このためには中国の銀行口座を開設する必要があります。これを所有している日本のサークルに聞くと数年前までは、いくつか銀行を回るとなんとか開設できたといいます。現在でも開設できるかは、とても怪しいです。

 ですので、サークル参加しようと考えるならば、中国在住の友人をつくる。あるいは、スマホ決済でお金が受け取れる人・サークルと一緒に参加することが最低条件になります。

■会場内の電波は悪い

 そんなにスマホ決済が普及しているのに、会場内の電波は昔の日本のコミケ並みに悪いです。もっとも混んでいる時間になると、電波が繋がらなくなり、まったく決済ができません。中国人すら困ってました。それでも現金を持ち歩かない人が多いので、電波が繋がるのを待つしかありません。

 コミケと同じく、移動基地局が来ているにもかかわらず、この状況です。次第に改善はされていくと思いますが、混んでいると決済にも時間がかかることは覚悟しておきましょう。

■会場内の食糧事情も悪い

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会場となった国家会展中心

 会場の上海国家会展中心は、とても広く銀行やレストランなどもあります。でも、それらを利用するには一度、会場から出なくてはなりません。会場内には弁当の宅配サービスもありますが、ケータリングなどの店舗はまったくありません。飲み物の自販機も少なく常に長蛇の列です。

 自販機には、冷たいドリンクが次々と補充される点で、コミケよりも優れているとは思いますが、それにしても台数が少ないです。そして、使えるのはアリペイか小銭のみで外国人にはちょっと厳しい仕様です。

 ですので参加者は何かしら食べ物を持参していました。時期的に暑さで倒れるようなことはないでしょうが、それなりの準備は必要です。

■ほぼ中国語しか通じない覚悟を

 来年の東京五輪に向けて国際化が進んでいるのか、日本でも英語をはじめ外国語対応してくれる店舗は増えています。日本人にも外国人に道を聞かれて英語で答える人は当たり前に見かけますよね。そんなのは世界でも例外中の例外だと思ったほうがいいです。

 上海では、どこでもだいたい中国語オンリー。それはイベント会場でも変わりません。日本語どころか英語を話せる人もほとんどいないと考えたほうがいいでしょう。でも、スマホに翻訳アプリをいれておけばなんとかなります。

 あとは、ハートよりも勢いです。中国人が圧の強いしゃべり方をしてくるのは発音がはっきりした言語だからです。こちらも、ボソボソ話さずに、言いたいことははっきり言いましょう。

■微信(Wechat)と微博(Weiboo)は必須

 日本だと交流ツールとしてTwitterやFacebookを交換しますが、その代わりがこの二つ。でも、ここでも注意が必要です。

 WechatがLINEとイコールなのはわかります。でも、WeibooはTwitterとイコールではありません。日本ではコスプレイヤーが、スケッチブックに名前やTwitterアカウントを書いて撮影の時に傍らに置いているのは一般的です。でも、こちらではそうした人はまれです。

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現地のレイヤーはかなりレベルが高かった

 通じない言葉で、可愛いレイヤーさんに「Weibooを教えてよ〜」といったら、教えてくれる人もいるんですが、そうじゃない人も。後で聞いたら「WeibooはむしろFacebookの感覚に近い」というではありませんか。つまり、気軽に教えるものとは限らないということだそう……。最初に聞いておけばよかった。

* * * * *

 このように、日本の同人誌即売会に慣れているとルールの違いに驚きます。でも、むしろ新鮮に感じます。まだまだ日本人の参加者は少ないイベント。独自に発展する文化を楽しみにいきましょう。

(文=昼間 たかし)

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