昭和と平成を駆け抜けた津田広樹の回顧

薔薇族だった時代 ~残酷な天使のテーゼの高橋洋子さんからの直筆年賀状に感動した思い出~ 第16回

薔薇族だった時代 ~残酷な天使のテーゼ の高橋洋子さんからの直筆年賀状に感動した思い出~ 第16回の画像1画像提供:津田広樹

 薔薇族に「IDOL NOW」という芸能ページも担当していた時代が、自分自身が一番楽しんでカメラマン&エディターをしていた気がする。

 芸能プロダクション勤務だった私なので、芸能記事はお手の物というか、アイドルの新曲発表会にも足を運び撮影をして記事を書き、薔薇族の本誌に新風を吹き込みたかったのだと思う。

 薔薇族に対して客演状態で文字原稿や写真を提供していた時代は、デビュー間もない久保田利伸さんのステージ撮影をしていて、当時のコーラス女性のひとりに高橋洋子さんが参加していた。彼女の歌声を初めて聴いた87年に、私は「絶対にこの人はソロで売れる人だ」と確信していた。気さくで人柄の良い女性だったので、91年に私が崇拝するユーミン(松任谷由実さん)のコーラスに彼女が参加した際、ユーミンのステージ撮影仕事で差し入れすると、昨日も会ったような錯覚になるほど心地よい会話をしてくださった。

 薔薇族に原稿を書いたり、ページに掲載する写真のレイアウト等をする時には、昔からユーミンのCDを聴きながら作業をすることで円滑に進んだので、高橋洋子さんがユーミンのツアーコーラス時代の映像ソフト(WINGS OF LIGHT 松任谷由実)を観ると当時が懐かしく甦る。

薔薇族だった時代 ~残酷な天使のテーゼ の高橋洋子さんからの直筆年賀状に感動した思い出~ 第16回の画像2

 ユーミンが、アリーナ40公演を今年5月に大成功で幕を下ろしたツアータイトルが「TIME MACHINE TOUR」だったので、私のタイムマシーン・・・いや、タイムカプセルを開けてみた。1992年に、高橋洋子さんが直筆で私に出してくださった年賀状だ。当時、私は仕事でご一緒したテレビ局アナウンサー等と名刺交換して必ず年賀状を出していたが、そうそう年賀状を返してくれる人はいなかったので、真摯に年賀状を返してくださった高橋洋子さんに感動したのを覚えている。画像に写っていない部分に「ユーミンコーラス高橋洋子」と小さく書いているのが彼女らしくてほっこりした。

 その3年後に『新世紀エヴァンゲリオン』のオープニングテーマ「残酷な天使のテーゼ」を歌唱し、一躍有名になったのが自分のことのように嬉しかった。薔薇族を知らない世代でいま、伊藤文学氏のブログ等を読み薔薇族を愛でて下さる方にはアニソンファンが大勢いらっしゃるので、今回はこんなコラムを書いてみた。コラムタイトルは、毎回編集の方にお任せしているが、今回は「残酷な天使のテーゼ の高橋洋子さんからの直筆年賀状に感動した思い出」かな?
(文=津田広樹)

【津田広樹プロフィール】
 いわゆる80年代アイドル全盛の時代にスチール撮影のみならず、その多才さを認められてグッズ等の企画発案にまでもマルチな才能を発揮したキャリアをもちながら、あらたなる新天地として当時の有力ゲイ雑誌であった薔薇族の出版会社に編集部員として転身。その後もさらにその非凡なる才能の昇華は衰えを知らず、グラビアや企画ページ等にも幅ひろく手腕をふるい、多くの絶賛を得るまでにおよぶ。そして1996年にはゲイ業界初の試みであった3D写真集付き映像ビデオ、ジャック・リードを発売し世に送り出した。
 さらにオリジナル競パン付きDVDの発売など革新を起こし続けるも、昨年に全ての映像ソフ トのレーベルを手離す。しかし長年にわたり不変的な価値観を持ち続ける津田広樹の世界観は色褪せることのなく、その真価を現在も世に問い続けている。

●津田広樹Twitter
https://twitter.com/hk8efj4xx3zxkim

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