『ほぼほぼほろびまして』武器を操るIQゾンビ!日常系な雰囲気と退廃した世界のギャップに恐怖萌え!?

 ホラーマンガや映画の定番といえばゾンビ。しかしゾンビものはだいたいウィルスのパンデミックで世界か荒廃した後の話なので、設定が狭められてしまうためか、なかなか個性を出すのが難しい。どの作品もそれなりに面白いのだが、飛びぬけた傑作にはなかなか会えないものだ。

 さて、そんな激戦区に名乗りをあげたのが吉沢緑時氏の『ほぼほぼほろびまして』(新潮社
)だ。本作のゾンビは、いわゆる腐敗がひどいとか、死者が蘇るとか、そういったものではない。顔が溶けてしまったかのような外見で、どちらかというとバケモノや異形の者に近い。しかも武器を使ったり、格闘できる程度には知能がある。またゾンビにはランクがあるようで、上のゾンビほど知能は高く、外見も人間に近づくようだ。巻末に筆者直筆の説明書きがあるものの、詳細なところまでは不明だ。

 なぜゾンビと化した彼らが世界を蹂躙しているのかも、当然まだ分からない。タイトルからして、ほとんどの人間が死滅したかゾンビ化したようにも感じられるが、読んでみるとそうでもなさそうだ。生者と出会うし、街も荒廃しているとはいえそこまで荒れていない。深夜の渋谷センター街のほうが汚い印象だ。

 吉沢緑時氏は『NKJK』や『とっても、ざんねんなこ、のんちゃん。』などでも知られるが、絵柄が丸みがあって、温かいものだからか、あまり本作においても絶望感や世紀末感は伝わってこない。日常系ホラーというか、ほのぼのした印象を受けてしまう。

 しかし、まだ第1巻だ。ジョージ・A・ロメロ直系のゾンビファンをうならせるような、カオスな物語になる可能性は十分にある。ゾンビファンとしては非常に期待したい。
(文=Leoneko)

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