“生涯ドルヲタ”ライターの「アイドル深夜徘徊」vol.29

勇敢な魂が挑む自由への闘い――眉村ちあき 3rd ワンマンライブ~東京湾へダイビング!~レポート

 彼女のファンへの強い想いはどこから来るのだろう。いつまでも近くにいたいという気持ちと、メジャーになって距離が離れてしまうという不安、その葛藤が垣間見える。そんな気持ちを振り払うように、ファンと一緒に遊んだ思い出を歌った「代々木公園」。

 感動的なラスト……と思いきや、またゴムボートに乗って元のメインステージに戻る。本人も「感動的なのにこれで帰るの?(笑)」と漏らす。でも、これこそが眉村ワールドであるようにも思う。

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アンコールも全力の歌声

 当然アンコール、そして、ステージには、告知の映像が流される。大阪と東京でのライブ、CSでの特番などとともに、「代々木公園で遊ぶ」「仮免許取得予定」といった情報もあり、メジャーになっても自由さは変わっていないことを実感する。

 Tシャツにジャージという姿で現れた眉村は、「書き下ろし主題歌」、そして本日初披露の新曲「緑のハイヒール」を歌い、名バラード「大丈夫」へ。

「大丈夫 もう大丈夫」――いろんな不安はあるけど、ここにこうして集まれたことが、ひとつの自信になる。そんなことを感じながら、音楽に身を任せた。

 ラストは、「みんなの顔を見ながら歌いたい」と、またもやゴムボートに乗って中央ステージへ。そして、ファンへの想いを歌った「本気のラブソング」。ラストの曲「ビバ☆青春☆カメ☆トマト」を歌い終わると、客席に倒れ込む。なぜかQueenの「We Are the Champions」を歌いながら、ファンのリフトによってステージへと運ばれた。最後は会場に向かって投げキッスを連発し、ステージ袖へはけていった。

 ここで終わりかと思っていたら、再びステージに映像が流れる。どうやら会場のバックステージらしい。眉村が走り出し、「東京湾」と書かれたプレートのあるプールに飛び込む。そうだった、このライブのサブタイトルは、「東京湾へダイビング」だった。ラストのオチまで素晴らしい。

 終演後には、出口のところで彼女とのハイタッチ会も行われ、大きなお祭りは終了した。

 正直、会場のキャパが大きくなり、いろんなタイプのファンが増えてくることにより、眉村の「自由さ」が制限されるのではないかとの不安もあった。それは、メジャーなレコード会社ゆえのものであったり、彼女自身の変化であったりというものだ。しかし、今回のライブを見た限りでは、彼女の自由な思いは、決して削られてはおらず、大きな後ろ盾によって、できることが増えたようだった。

 どんなにビッグになっても、ファンと公園で遊んだり、一緒に住んだりすることを、彼女はあきらめないんじゃないだろうか。ファンが1万人になったら、1万人と遊べばいいし、1万人と一緒に暮らせばいい。現実的ではないとかそういうことではなくて、ごくごくシンプルなことなのだ。

 それから、ライブを見ていて思ったこと。もしかして、彼女は、私も含めてファンの多くが彼女よりも先に死んでしまうことを、本能的に感じているのではないだろうか。そうでもなければ、彼女のファンへの過剰なまでの想いは説明がつかない。

 私たちはいい。死ぬまで眉村ちあきを見続けることができるから。でも、彼女は残されてしまうのだ。彼女を一人にはしたくない。多くのマユムラーたちも同じ気持ちなんじゃないかな。

 私たちがいなくなった世界でも、彼女が寂しがらないように、若いマユムラーがたくさん生まれることを、本気で祈りたくなった。

(文=プレヤード)

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