昭和と平成を駆け抜けた津田広樹の回顧

薔薇族だった時代 ~美少年グラビアとおっさんずラブ~ 第12回

薔薇族だった時代 ~美少年グラビアとおっさんずラブ~ 第12回の画像1KNOCK 薔薇族増刊号

 昨年の4月に多くの人が、ハマった テレビドラマ『おっさんずラブ』。このドラマ、ボーイズラブ(以下、BL)を知らない人の心も鷲掴みして大ヒットし、今年8月に新キャスト2名を加えて映画化される。

 このドラマは実は、2016年の大晦日に「年の瀬 恋愛ドラマ 第3夜」として単発ドラマ扱いで、牧役が別の俳優で放送されていた。もし昨年4月の『おっさんずラブ』が大ヒットしなければ、2016年の単発ドラマバージョンは、忘れ去られていたかもしれない。

 BL系のカラーグラビアも数多く撮影してきた私も実は、昨年『おっさんずラブ』にはまっていた。なぜこの話題を出したかというと、私が忘れていたイレギュラー薔薇族のカラーグラビアがあったからだ。

 それは、1984年に発売されていた「薔薇族 増刊号 KNOCK(ノック)」である。先日ある場所で、この「KNOCK」の誌面を開いたら、私が撮影したカラーグラビアが掲載されて記憶が甦ってきた。

薔薇族だった時代 ~美少年グラビアとおっさんずラブ~ 第12回の画像2

 私が、「DE JAVU 六月生まれの美少年が、禁断の果実を食べた。」というタイトルをつけてレイアウトしたカラーグラビアの撮影は、かなりのハイレベルといえた。この美少年は当時、人気だったテレビ番組の美少年コンテストで優勝した子であった。オールロケで撮影したのだが、初めてヘアメイクさんをお願いした薔薇族カラーグラビア撮影だった。

 ヘアメイキャップアーティストは、某テレビ番組にレギュラー出演されていて有名なファッション誌でも活躍されていた方で、当時私と友達だったので役者の「友情出演」的に協力してくれたのだ。友達になったきっかけは、私が某大物女性アイドルの撮影を担当していたときに ヘアメイクを依頼したことだった。素晴らしい技術と感性があるヘアメイキャップアーティストなので、美少年をさらに美少年にしてくれた。

 この方は、「普通の女の子に戻りたい」との有名なセリフで引退したアイドルのひとりが、ソロ再デビューする際の大手化粧品会社CMのヘアメイクを手掛けた方だった。私が知り合ったときに、その方が手掛けたと知らずに、たまたまそのソロ再デビューの化粧品CMでのメイクが日本人のCMメイクの中で一番綺麗で好きなCMだったと私が発言したら「あ、そのメイク俺がやった! 嬉しいな」と意気投合したのだった。

 話は美少年撮影に戻る。サーフィンが大好きな美少年だったので、海で撮影ロケしようと考えた。人のいない茨城県の海にその美少年が運転する車で、ヘアメイキャップアーティストと私の3人で向かった。

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 海辺の雑木林で着替えるところを盗撮風に撮影したり、まるでメキシコのカンクンのような海外のビーチを思わせる美しい浜辺を白いTシャツのみ(下はフリチン)で撮影したり、サーフボードを持ちアイドル風に撮影したり、ガチのファッション誌のように時折ヘアメイクを直してもらい、本当に贅沢な撮影だった。

 結果、美しく完成度の高いカラーグラビアに仕上がった。この「KNOCK」を企画した 藤田竜氏は、この手の美少年は好きではないはずだったが、若い感性の増刊号にしたくて美少年のカラーグラビアを採用したに違いない。白い砂の上に潰した缶コーラや黄色いグラサン、ハイカットのCONVERSEのバッシュやゴーグル・・・・・・正直ちょっと詰め込みすぎな表紙の感じもするが、若いイメージにしたかった努力が伝わってくる。
(文=津田広樹)

【津田広樹プロフィール】
 いわゆる80年代アイドル全盛の時代にスチール撮影のみならず、その多才さを認められてグッズ等の企画発案にまでもマルチな才能を発揮したキャリアをもちながら、あらたなる新天地として当時の有力ゲイ雑誌であった薔薇族の出版会社に編集部員として転身。その後もさらにその非凡なる才能の昇華は衰えを知らず、グラビアや企画ページ等にも幅ひろく手腕をふるい、多くの絶賛を得るまでにおよぶ。そして1996年にはゲイ業界初の試みであった3D写真集付き映像ビデオ、ジャック・リードを発売し世に送り出した。  さらにオリジナル競パン付きDVDの発売など革新を起こし続けるも、昨年に全ての映像ソフ トのレーベルを手離す。しかし長年にわたり不変的な価値観を持ち続ける津田広樹の世界観は色褪せることのなく、その真価を現在も世に問い続けている。

●津田広樹Twitter
https://twitter.com/hk8efj4xx3zxkim

※画像の加工は編集部によるもの

おっさんずラブ

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