東京ビッグサイト会場問題は一区切りへ いま、企業はいかにして生き残ろうとしているのか?

2019.06.07

※イメージ画像

 来年の東京五輪をどうやって切り抜けて、それからどうしていくのか。東京ビッグサイトの会場問題は終わり、次のステージへと移っている。

 東京五輪のメディアセンターとして利用するために、東京ビッグサイトが使えなくなる――コミックマーケットをはじめとした同人誌即売会だけでなく、さまざまな展示会に関わっている企業はこの問題に動揺した。

 見直しを求める要望をはじめ、東館はいつも通り使用できるようにするものや、防災公園に仮設の建物を建てて、そっちをメディアセンターにするなり展示会場に使う案など、さまざまな代替案が出たものの、そのいずれもが実を結ばなかった。

 結局、最大限の譲歩として示されたのは、使用できない期間を短くすることと、青海に仮設の展示棟を設けることだった。その間にいろいろな政治家が「私がこの問題を解決します」と躍り出ては消えていった。

 ともかく、確実なのはもう現状でなんとかするしかないということ。そんな苦闘が続く中で5月28日に日本展示会協会の定時総会が開催された。

 長らく会長を務めた石積忠夫氏(リードエグジビションジャパン社長)が新たに名誉会長へ就任。浜田憲尚氏(マイナビ専務)が新会長に選出されたこの総会。登壇し挨拶した関係者が一様に口にしたのは、「会場問題は一区切りがついたこと」であった。

 正直、内心では誰も区切りなんてついているとは思っていないだろう。ただ、営利企業である以上、今は運動の失敗を糾弾し合ったりするのではなく、いかに生き残っていくかをリアリスティックに考えているように見える。

 会場問題の解決策として建設された青海展示棟も、供用開始以来使い勝手をめぐって、さまざまな意見が出ている。そうした問題をどう解決していくのか。そして、関連業者はどうやって生き残りを図るのか。そんなことを、これからは取材していきたい。

 (文=昼間たかし) 

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