平成・昭和のレジェンドアイドルを振り返る!

松田聖子 Legend ~聖子ちゃんのお洒落センス~ 第4回

2019.06.06

 歌手のスタイリストをしていると、「この服を買い取りたい」や 「この靴を買い取りたい」と言われることがあります。メーカーから借りて買い取りOKな物なら嬉しくなります。歌手のお気に入りを見つけてあげられたことになりますから。

画像提供:瑠衣羽香

 聖子ちゃんは当時18才だったのに、自分に似合うシルエットの服や靴をしっかりと見抜ける女の子でした。サンミュージック時代のファンクラブカレンダーの撮影のときでした 。エキストラも含めて30パターン程のシャツやセーターやスカートをフォトスタジオに持参しました。その中に白いウェスタンブーツとドレスシャツとスカートがありました。

 聖子ちゃんはこの組み合わせを見た瞬間にお気に入りになってしまったようで、買い取られてからテレビの歌番組でも何度も着ていました。この聖子ちゃんのお洒落なセンスは、後の フローレスセイコ(※現Feliciaclub。松田聖子公式ショップ)などが多くの方から愛されることに繋がっていると思います。

当時の聖子ちゃんはハードスケジュールでしたから、撮影が入るとサンミュージックの上層部から「この持ち込み衣装で○○社さん用に撮って」などの無茶振りが何本も入りました。そういう持ち込み衣装は、スタイリストの私でなくてもスタッフ男性も、「ダサ、何その服? 聖子に着させるのマジで?」とバッドなセンスの服でした。それでも聖子ちゃんは、嫌な顔ひとつせずに笑顔で撮影に挑まれていました。

 ロケで、タグを着けたままのワンピースで振り向き撮影したカットに「タグが写っちゃってる~」と笑顔で気付いたのも、聖子ちゃんが最初でした。めざとい人なんです。だから自分 に似合う素敵なこの服とブーツが、直ぐに解ってしまうんですね。
(文=瑠衣羽香)

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