【連載:静かに寝たいあなたに】vol.4

本格防音環境を実現する「ドラえもん戦法」とは? 防音グッズ専門店が解説!【後編】

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(写真2)開発中の快適防音ボックス

■オフィスにも睡眠時にも、一人になれる「快適防音ボックス」

梶原 安価で導入しやすい防音対策の一つとして、今「快適防音ボックス」を開発中です(写真2)。机の上に薄手の防音パネルで作った箱状のブースを置くというものです。

 こちらは写真の通り、勉強や仕事中、より静かな環境で集中できるように作ったのですが、これを、寝るときに頭周辺を覆うようにすれば、睡眠時の騒音が気になる人や、また、いびきの音を弱めることができるということで、形状をさらに工夫し睡眠用の提供も検討しています。

――(快適防音ボックスに頭を入れる)こちらは形状的に隙間が空いているので「徹底防音」ではないですが、吸音効果で、入るとたしかに明らかに「しーん」としますね。 真後ろでお話している声も、遠くから聞こえてくる感じになります。

梶原 徹底的な防音を求められる方は、パネルを使い窓を埋める方法がお勧めです。ですがこちらのボックスなら、手ごろな値段で利用できます(価格は現時点では未定だが、2万円程度を予定)。

――3回にわたってお話を伺ってきましたが、防音にはさまざまな選択肢があることがわかりました。押し入れを活用するなど、意外な方法も含めやりようはあるのだなと。最後に、防音のコツについて改めて教えていただけないでしょうか。

梶原 何かひとつの単体の防音グッズで全ての音を防ぐとなると難しいんですよね。窓も防音カーテン1枚では防げなくても、2枚になると防音効果が上がります。「層」で対策することが大切です。これはカーペットでも同様です。

 ですので、すでに購入された防音グッズで、今効果をあまり感じられないものも、組み合わせて使うことで効果を発揮することもあります。

―――あとはお話いただいたとおり「とにかく隙間をなくすこと」なんでしょうね。

梶原 はい。そして、そもそも音の感じ方には個人差があります。人の声が気になる人もいれば車の音が気になる人もいます。

――効果においても「とにかく徹底的に静かにならないとイヤ」な人もいれば、「ある程度改善されればOK」人もいるでしょうし、感じ方は人の数だけありますよね。

梶原 そうなんです。ですので、防音対策に「万人がこれでなければいけない」というものはないんです。よって、防音は「いっぺんに全部」やるのではなく、ちょっとずつ継ぎ足していった方がいいかと思います。満足できるところでやめれば、それほど大掛かりな予算をかけずにすみますから。

* *

 この取材はピアリビングが期間限定のブースを出していた東急ハンズ渋谷店で行われ、ブースには、四方と天井を防音パネルで作った箱型の体感コーナーもあった。中は明らかに「しーん」とした別世界で気持ちがとても落ち着き、ここで生活したいと思うほど安らいだ。にぎやかな店内の音をすべてシャットアウトするわけではなく、声などは聞こえるのだが、かなり遠くから聞こえてくるのだ。

 しかし、一度この体感コーナーの引き戸のドアがほんの少しだけずれてしまったときは、最初は気づかなかったくらいのほんのわずかなずれにもかかわらず「しーん」とした感じはかなりうすれてしまった。しみじみと防音対策は、水をも漏らさぬ隙間との闘いなのだと理解した。

(文/石徹白未亜 [https://itoshiromia.com/])

 

◆石徹白未亜の過去記事はこちら(【おたぽる】【日刊サイゾー】)から◆

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