『神々の悪魔』無神論の日本になぜ悪魔がはびこるのか?独自の解釈とスピーディーな展開、グロテスクな描写で究極ホラーエンターテイメント!

 エクソシストという言葉を知っているのだろうか。ホラーファンであればオカルト映画の金字塔となった同名作品をすぐに思い浮かべるであろう。この“エクソシスト”という言葉は、「悪魔祓いをする祈祷師」を指す。またこの祈祷師の存在は、フィクションでもなんでもなく、実際にキリスト教に存在するものだ。

 さて、そんなエクソシストが登場するホラーマンガを今回は紹介しよう。『神々の悪魔』(日本文芸社)だ。

 まずは紹介文を引用しよう。


 神に祈りを捧げ、悪魔を祓う――
 エクソシストVS悪魔憑き!!!

 神なき街で、老エクソシストと青年が悪魔と対峙する――。
 犠牲者16人という凄惨な無差別殺傷事件が起こる。
 不穏な空気に包まれた東京の街は、その日から次々と不可解な事件が発生していく。
 そんな中、雨宮蓮次が想いを寄せる風俗嬢・トリ子にも異変が起こり始める。
 悪魔を祓うという‘エクソシスト’の御田蔵神父と出会った蓮次は、トリ子が‘悪魔に憑かれている’と告げられるが……。

 『異骸』『東京アンデッド』の鬼才・佐伊村司と超実力派新鋭・高橋構造の最狂コンビが放つ戦慄のショッキング・オカルトホラー開幕ッ!!!


 内容としてはかなり正統派なホラーマンガである。冒頭から大量殺人のシーンで、映画を観ているかのようなテンポの良さと迫力のあるコマ割りと、緻密に描かれたグロテスクな作画で、グイグイと読者を惹きつける。エクソシストというオカルト全開のテーマであるのに関わらず、プロットと絵に説得力があるために、フィクションなのにリアリティにあふれているのも魅力だ。

 今作が『エクソシスト』に影響を受けているのは明らかで、悪魔に憑依された人たちは例外なく汚い言葉を発するようになる。それはまるで、あのリンダ・ブレアだ。映画でも話題になったスパイダーウォークも作中に登場する。その上、悪魔に憑依された人はまず悪魔祓いをするのではなく、精神病を疑えという根底を覆すような原作小説にもあった説明も引用される。また、無神論者の多い日本だからこそ悪魔につけ狙われるなど、史実に沿った独自の解釈なども、非常に興味深い。

 2巻以降はエクソシスト対悪魔の構図が、より強くなるようだ。このスピード感と世界観はホラーファンにとっては非常に興奮させられる。マンガだけなく、実写やアニメなどのメディア展開を期待してやまない。
(文=Leoneko)

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