登戸殺傷事件で犠牲者を悼むことなく、弄ぶオタクと政治家の共犯関係

 偶然、ある政治家に会ったらこんなことをいわれた。

「バズると思ったんですけど、大して増えなかったですねえ……。大田区議の荻野さんなんて3000RTなのに……」

 5月28日の朝、登戸駅近くで起きた痛ましい通り魔事件のことである。現場で自殺した容疑者の家宅捜索を報じる一部のメディアがゲーム機とテレビがあったことを報じたことには、批判と失笑とが集まっている。

FNNprimeより

 一例を挙げると、フジテレビ系列のFNNprimeでは次のようなニュースを配信した。

部屋にテレビとゲーム機 岩崎容疑者の自宅
(中略) 警察は29日、岩崎隆一容疑者(51)の自宅に捜索に入ったが、部屋は整然と整理されていて、テレビのほか、ポータブルのゲーム機やテレビにつないで遊ぶゲーム機などもあったことが新たにわかった。

 おそらくは警察取材から仕入れた情報を、そのまま速報として流したものだろう。これに対してネット上では様々な意見がみられた。あたかもゲームが事件のきっかけとなったという印象操作で「オタク」を叩く意図があるのではないかと邪推する者。そして、これではテレビが事件の原因ということになってしまうのではないか。ならば、ほかの家電製品も犯罪の原因となってしまうのではないかと皮肉を記す者。そして、警察情報をタレ流す報道の劣化を嘆くマスコミ関係者も。

 なにか事件が起こると、速報性を重視するテレビや新聞が次々と得た情報を右から左へと検証を重視せずに報道し、それが事件の原因ではないかという印象が刻み込まれることは、今までも何度もあった。

 そうした中で、今回特異なのは国民民主党代表の玉木雄一郎衆議院議員をはじめ、多くの政治家が報道に対する批判を口にして、Twitterなどで発言していることにある。

 その理由はなにか。警察情報を垂れ流している報道に対する批判なのか。まったくそうではない。冒頭に記した、ある政治家の発言がすべてを語っている。そう、凄惨な事件を憎み、犠牲者を悼む気持ちを利用しようとしているならば、批判される報道の姿勢よりもさらに酷い。

 過去の偏向報道の事例を知っていれば、わずかに報道されただけの「テレビとゲーム機」など取るに足らないことだとわかる。「またか」と思い、そのままスルーする類いのものである。報道に怒りのツイートをする「オタク」から、人気取りに利用する政治家まで等しく事件を弄んでいるだけで批判でもなんでもないのだ。

 もし本当に、この報道を本気で批判する気があるのであれば「テレビとゲーム機」なんていう枝葉末節に拘るのではなく、それに続く言葉があるはずだろう。今回の件でいうならば、なぜテレビはそうした報道を行ってしまうのか。そして、なぜこうなってしまったかということである。

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