華山みおの物語探索 その46

『愛がなんだ』人間の持つ永遠に謎で究極の力…愛とは一体何なのか? 超話題作レビュー!

 公開からタイミングを逃しまくって、観るのが遅くなってしまいました。評判だけはめちゃくちゃ聞くし、早く見に行きたいー! と焦がれていました。今回のレビューは話題の映画『愛がなんだ』です。 


 28歳のOL山田テルコ。マモルに一目ぼれした5カ月前から、テルコの生活はマモル中心となってしまった。仕事中、真夜中と、どんな状況でもマモルが最優先。仕事を失いかけても、友だちから冷ややかな目で見られても、とにかくマモル一筋の毎日を送っていた。しかし、そんなテルコの熱い思いとは裏腹に、マモルはテルコにまったく恋愛感情がなく、マモルにとってテルコは単なる都合のいい女でしかなかった。テルコがマモルの部屋に泊まったことをきっかけに、2人は急接近したかに思えたが、ある日を境にマモルからの連絡が突然途絶えてしまう。


 公開してだいぶ時間が経っているはずですが、劇場は満員! 人気の高さがうかがえます。評判の良い作品というのは、普段映画を観ないタイプの人たちにも「面白いものがある」という期待から、劇場に足を運ばせる力を持つんですね。映画館に人が来ないと言われる時代ですが、みんな分からないものに時間やお金を割くのが怖いだけなのかな。

 『愛がなんだ』の”愛”ってなんでしょう。検索してみたら、

 愛は人間の根源的感情として,全人類に普遍的であり,人格的な交わり,あるいは人格以外の価値との交わりを可能にする力である。

 と出てきました。でもこの物語は、その問に答えてくれるものではありません。「愛」のカタチは千差万別。いままで生み出された物語は数知れず、その中のひとつでしかありません。

 テルコは少し変わった女の子です。一度好きになると「好き」と「それ以外」に世界が分断されてしまいます。一応、常識的な目で見て「これはアウトかな?」などの線引きはして、好きな人に嫌われない・疎まれないギリギリを保とうとします。でもそれは、好きな人=マモちゃん、にだけしか機能しません。

 仕事も手をつかず、最優先はマモちゃんです。遅刻も早退も無断欠勤も全部マモちゃんの都合なんです。ここまでマモちゃんにどっぷりと漬かれたら、いっそ清々しいと思わせられるくらいの盲目っぷりを見せてくます。

 ここまで盲目になり、猪突猛進してしまう人を笑えるでしょうか。私は笑えません。テルコほどまでのことはしないだろうけど、したくなる気持ちは多少なりとも理解できます。この映画と10年前に出会っていたら、私は立ち上がれなかったかもしれません。

 心当たりある人いませんか? ままならない恋愛模様。ひたすらに待つLINE、喜ばれたくてした行動、小さなウソ、そして背伸び。テルコの行動が、表情が、あの頃の私の気持ちを思い出させます。

 特に苦しくなったのが、「俺んちくる?」からあれよあれよと良い感じになっていくシーン。テルコの絶頂期です。ごはんを作って、一緒にお風呂入って、買い食いして、一緒に寝て、起きて……。ダイジェストのように、幸せなカップルの日常が描かれます。

 「好きだ」とも「付き合おう」とも言われてないけど、大人の恋愛ってこういう風になんとなく始まること多いですよね。だから私とマモちゃんはもう付き合っている。だからこの行動は恋人として当たり前のこと……と、思って取った行動がマモちゃんの心のシャッターを閉まらせてしまいます。彼はそんなつもりのなかったのです。

 マモちゃんこと田中守を演じる成田凌の絶妙さ。このシャッターを閉じる前と後の声のトーンの違いがすごかった。「言わなかったっけ? いま言ったから覚えてね」の冷たさ。そして家を出たとき、大荷物のテルコを全く気遣わず、振り返らず、さっさと仕事に向かってしまうあの後ろ姿。

 マモちゃんは自分でも言うけど、良い男ではありません。物語の中のマモちゃんは、友達に相談したら「やめなよ、そんな男」って言われる男です。だけど、そういうダメなところを込みで好きになってしまって、その好きになったのがテルコだから、もうどうしようもありません。

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