『チルドレン』(三浦みう)学園ゴアスプラッターホラー完結…最後は大人vs子供の壮絶な殺し合いで人間が切り株化!

2019.05.23

 子供たちが死体処理をするというぶっ飛んだ内容と、極めてグロテスクな描写で話題の『チルドレン』(スクウェア・エニックス)が完結し、最終刊がリリースされた。

 改めて内容を振り返り、最終巻をレビューしよう。まずは公式の紹介文の引用だ。

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 半年間のバイト代300万円、仕事は子供の世話係。大学生・五十嵐透は、東北の人里離れた児童養護施設にやってきた。天使のような園長、無邪気な笑顔の子供たち……。だが、子供だけが住むその場所では、罪深き禁断の「お仕事」が行われていた。

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 児童養護施設で行われていたのは殺人と死体処理。子供たちが嬉々として死体をバラバラに解体し、処理していく。施設の子供たちは絶対に外へは逃げられない。逃げたら殺される。子供たちが生きられる場所は、この殺人施設だけなのだ。

 なぜこんなおぞましいことが行われているのか。それが最終刊である2巻で明らかになる。

 しかし、誰しもこんなことを続けて良いとは思っていない。施設の中で徐々に亀裂が生まれ、ひとり、またひとりと子供たちが殺されていく。

 主人公・五十嵐透は平凡な大学生であるから、当然人を殺すなんてできない。しかし、この施設では、それができないなら役立たずとして殺される。激しい葛藤の末、透の精神は病んでいき、ついには解体処理に手を下してしまう。

 何かと園長の清水桜子に贔屓されていた透だが、彼と園長の驚きの関係性が明らかにされる。しかし、それと同時に施設の終焉が近づいてきていて……。

 2巻は1巻以上にスプラッターのオンパレードである。後半は死体の山。人間切り株だらけである。死体に首がついているほうが珍しい。

 このマンガの潔いところは、一撃で死に至らしめることだ。その分、斧で生首を切断したり、頭を銃で撃ち抜いたりと、ショッキングな描写が増えてしまう。ザクザクと豪快にいくので、痛みはあまり覚えないものの、嫌悪感は強く覚える。人間を解体し、切断するのは、ホラーマンガや映画といったフィクションの中でも見かけるシーンは少ないくらいに、ある種のタブーな行為といえよう。

 ゴア・スプラッター・グロと完全に人を選ぶ作品ではあるが、終わり方は比較的美しい。少々駆け足でエンディングを迎えてしまったものの、ホラーマンガとしては十分に機能して、読者を楽しませられたのではないだろうか。

 全2巻のために、未読の方は一気読みもすぐにできる。『チルドレン』の独特な世界に足を運んでみてはいかがだろうか。
(文=Leoneko)

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