『キャロル& チューズデイ』投げつけられるゴミに罵声…新人アーティストに対する厳しい洗礼の#6レビュー

 全世界の音楽を愛する人に捧げる、2人の少女が起こした奇跡の物語『キャロル& チューズデイ』。#6「Life is A Carnival」が放送された

 たった観客10人のファースト・ライブ。第1歩を踏み出したキャロル&チューズデイの次のステージは、サイドニア・フェスのメインステージだった。キャパは10万人以上。しかも開催日は明日。お騒がせバンド・オメガのヴォーカル・ヨシュアに万が一があった時のための補欠としてブッキングされる。

 憧れのアーティスト・クリスタルも出演する大舞台で、緊張しまくるキャロル&チューズデイに果たして出番はやってくるのか…。

 今回は、キャロル&チューズデイ以外のアーティストがたくさん出てくる、まさにライブ回。もはやおなじみのアーティガンからヨシュア、クリスタル、スキップと超一流と呼ばれるメンバーのみが立つことを許されたステージに、ふたりが立つ。

 メインではないので、この作品の中で一流アーティストと呼ばれる彼らの曲は少しずつしか聞けない。だけど現実のフェスに行ったときのように、たった30分の中で様々なジャンルの音楽が聴けた。スキップはもっとアップビートな曲をやるのかと思ったらギターとヴァイオリンという組み合わせの異色バンドで、歌声も甘くセクシーだった。クリスタルはディーヴァ!という感じ。

 このふたりは過去に恋人だったか夫婦だったっぽいのだけど、歌詞の内容がものすごく正反対なのが面白かった。すれ違っている。サブキャラが充実してくれば来るほど、彼らの過去や人となりがますます気になってくる。キャロル&チューズデイにとってはまだまだ雲の上の存在の彼らは今後、ふたりの前にどう現れてくるのだろうか。

 そして、10人の前での初ライブを終えたばかりで10万人の前にたつことになったキャロル&チューズデイ。10万人って突然言われてもどうしたらいいか、普通は分からないだろう。しかも、心の準備も曲の準備もできていないところに「明日だから」って言われたら、チューズデイがパンクするのも無理はない。あまりにも動揺したチューズデイがうっかり飲んでしまったアルコールのおかげでステージに乗り込んだものの……。

 目当ての人がいてフェスに来たのに、突然全く知らない新人がステージに上がってきたらショックなのは分かる。でも、勇気を出してスタージに上がるアーティストにゴミを投げつけるのはひどい。

 緊張して眠れなかったふたりが、勇気を出して、夢を持って、ステージに立ったのだ。悔しさと悲しさがないまぜになった気持ち。ステージから降りて涙を流すふたりのシーンには胸にこみ上げてくるものがあった。

 しかし、そんな悲しみも一瞬。ふたりも大ファンであるクリスタルが、彼女たちのステージを見て声をかけてくれた。「あなたたちの声は誰かに届いている。私もそのひとり」とふたりを抱きしめてくれたのだ。

 慰めにきたガスたちもあきれるほどのにテンションが上がるふたりは、クリスタルのステージを見つめながら新たな夢を確認しあう。

「絶対にここに戻ってくる」

 その時は誰かの代役ではなく、本当の自分たちのステージとして。

 今回のフェスで少なくともスキップとクリスタルは彼女たちを認知し、ある程度の評価を下している。それが何かにつながってほしい。

 10万人規模のライブを切ない気持ちで終えたふたりは来週どんな試練にぶち当たるのか。来週も楽しみだ。
(文=三澤凛)

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