『わたし、定時で帰ります。』職場でのセクハラ問題に理想の上司像とは?三角関係も予感させる第5話レビュー

2019.05.15

『わたし、定時で帰ります。』公式HPより

 今季大注目のドラマ、『わたし、定時で帰ります。』。第5話がオンエアされた。

 ある日ランダー社から緊急の要件だと呼び出される制作4部のメンバー。

 先日OKがでたはずの20周年サイトのデザインに「ピンとこない!」と言われ、困り果てる結衣(吉高由里子)たちであったが、「桜宮さん(清水くるみ)に任せておけば問題なし!」と笑顔で中西(大澄賢也)らに言われ、桜宮との関係を不信に思う…。

 数日後、吾妻(柄本時生)に呼び出されて外にでると、ランダー社の草加がいて、中西らと一緒に露出の多いユニフォームを着てランニングをする桜宮の動画を見せられる。

 その話を聞いて憤慨する結衣はランダーへ打ち合わせに向かうが――。

 今週は、働く女性が一度は感じたことがあるかもしれない「セクハラ問題」がテーマ。最近は「〇〇ハラ」という言葉が多く、ちょっとした発言にも気を遣う時代。大っぴらなセクハラが横行することは少なくなっかもしれないが、小さなその人の好意と気遣いによって隠されるセクハラもある。

 例えば、取引先。ご機嫌を損ねたら話がとん挫する未来が見えていた場合、小さなことなら目を瞑る。笑顔でいたらことが済むならニコニコとしていた方がマシ。そういった態度が相手をつけ上がらせるんだから、そうさせた女性側にも問題があると言われたらそれまでだが、誰もが強く「No」と言えるわけではない。

 先週からネットヒーローズに派遣としてやってきた桜宮。元々ランダーとも取引があった桜宮は、営業時間外の飲み会にも笑顔で参加していた。「OKがもらえるは相手に、気をよくしてもらっていた方が仕事がしやすい」という桜宮。心配して警告を与えた結衣にも「自分が損になるようなことはしません」と受け流してしまう。

 この受け流した問題が後々会社を巻き込んだトラブルに発展するのだが……。桜宮のいうように、小さなことは受け流して、自分がうまくやればいい。と思っている人多い。筆者もそうだ。

 雇用を握る人には逆らえない。問題を起こしたら仕事がやりづらくなる。一瞬我慢すれば場がまとまるなら、それも致し方ない。しかし、それでいいのだろうか。

 相手は自分を仕事相手には見ていない。都合のいい(色々な意味で)相手としてみている。下に見られている。相手を対等の仕事相手として接していたら、そんな態度は出てこないはず。

 福永の言った「女性ならではの役割ってあると思うんだよ」というセリフ。とんでもないセリフだ。桜宮は愛想がいいからみんなにかわいがられている。だから相手ともっと仲良くれ、飲み会好きだろ、と全力で桜宮の好意と気遣いに乗る福永。毎週この福永の言動にイラっとさせられるのだが、今回は特にひどかった。長いものに巻かれろ体質で下には言いたいことだけ言ってほったらかし。軽い言葉の中に毒が混入されている。

 セクハラ、パワハラが横行するランダーは、その後週刊誌に抜かれてあえなく終了。結衣たちの会社は、種田の采配により痛手を被る前にランダーとのやり取りを終えることができた。

 本当に種田のお手柄である! 上司として出しゃばりすぎるわけじゃなく、しかしピンチの時は颯爽と助けてくれる。この人が上司だったら安心だ。

 しかも種田は皆さんご存知のように、顔が良い。今週も、徹夜明けで無精ひげが生えているのに美しい。先週の吾妻くんのひげ面とは段違いの爽やかさ。大きなお口でたこ焼きを食べる姿すらかわいい。部下を叱る姿もクライアントに毅然として対応する姿も全部カッコよかった。みんなが種田みたいな上司だったらいいけど、そういうわけにはいかない。

 小さなセクハラや、対等に見てもらえない自分の価値を安売りせず、腐らずに、自分を大切に仕事をしていく道を模索するしかない。自分の身は自分で守るしかない。結衣みたいな人が、会社にいてくれたらいい。実際にはみんな自分のことに精一杯なのだ。

 来週は種田さが新入社員の来栖くんとも、結衣の今彼・巧ともバトルが起こるらしい。彼氏としては巧くんに頑張ってもらいたい気持ちでいっぱいだが、念願の三角関係バトルが見れると思うとワクワクが止まらない。巧くんはいい子だからこの展開で、ちょっとぐらい黒い部分が出てきてほしいものだ。

 話までの間に出てきたメンバーは、それぞれがひとつつの山を乗り越えていることもあるのか、全員でランチを取るほど仲良くなっていた。先週の主役だった吾妻くんが、桜宮さんを好きになったおかげで会社内で生き生きしていた。それが凄く素敵だった。しかし、まだ5話である。キャラが濃いので、もう一波乱ずつ起こる可能性もある。

 結衣の周りには後どれくらいの問題が襲い掛かってくるのか。来週も目が離せない。
(文=三澤凛)

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