今年も「アニメ聖地巡礼発祥の地」で暑い夏。 世界征服はR元年から! 今年も追いかけよう! 轟天号!

2019.05.07

 今年も夏の恒例となった「聖地巡礼」イベント。「田切駅→伊那市駅 1hour Bicycle Tour “轟天号を追いかけて」が開催される。気がつけば、すでに8回目の開催である。

 もともと、このイベントは2012年のJR飯田線の伊那市駅開業百周年を記念して一年を通して開催された各種催しのひとつとして実施されたもの。ゆうきまさみ原作の漫画『究極超人あ〜る』(小学館)で描かれた飯田線の田切駅から伊那市駅への自転車での疾走を再現する催しであった。

 当初は一回限りのイベントになるはずだった、それがいつの間にか毎年恒例のイベントになった。理由は、楽しいからだ。イベントに参加するのは決して楽ではない。当日は、自転車を持参して田切駅に集合。時間になったら出発してゴールの伊那市駅までひた走る。

 特にコースも決まってないし、時間内にゴールできなくても、探してくれたりはしない。
よくも悪くも楽しく無責任な、ゆるいイベントである。

 自転車を担いで電車でやってくる人。様子を見に来る人。みんな仕込むネタはどんどん進化している。作品にちなんで学生服をはじめとしてコスプレする人は当たり前。ついには、自転車に走っている間にご飯が炊ける装置を取り付ける人も登場している。

 あげくに昨年には、ノリで田切駅前に「アニメ聖地巡礼発祥の地」の石碑も建立された。

 そんなイベントであるが、近年流行の「聖地巡礼」とは一線を画している。公式からは
「黙認」というか無関係。自治体も、田切駅のある飯島町の町長が開会の挨拶に来てくれるけど、なにか援助なりがあるわけでもない。手弁当で楽しいからやっているイベントである。もっとも経費は総額1万円もかかっていないけど。

 第一回から取材を兼ねて参加している筆者だが、状況はどんどん面白くなっている。なにせ参加者層が広い。もともとの連載は80年代。だから、そのリアルタイマーはもちろん、親から教えられて読んだ10代までもが揃うのだ。普段は人の少ない田切駅が、この日ばかりは100人あまりの人で大いに賑わう。

 でも、盛り上がるのはその日だけではない。このイベントを契機として、特に用もないのに伊那谷へとやってくる地域のファンは増えている。もともと、街道が通り多くの放浪者が行き来する土地だった伊那谷は、よそからやってくる人にもあたたかい。独特の文化は、ローメンやソースカツ丼といった美味いものを生み出している。ついには参加者の中から伊那谷に移住する人も。

 そして今年もやってきた告知。特に作品に詳しくなくても(読んでおいたほうが面白いけど)、一度でも参加すれば、その独特の雰囲気の虜になることは間違いない。「アニメ聖地巡礼発祥の地」を自転車で走り抜けるという楽しさを、もっと多くの人に知ってもらいたい。

(文=昼間 たかし) 

■轟天号を追いかけて 8 ・・・いつ、むう、なな!やあ!

R元年7月27日(土)午後3時ごろ受付開始
募集要項・参加申込みは下記から↓
https://goutengo.jimdofree.com/?fbclid=IwAR1Pt8vINXcaXKG_5XZoh869kfyuDcG2Jma-G9ZCNBMzmmQW98nNn0iOPog

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