『バースデーワンダーランド』悩み事のある子供たちを励まし、背中を押してくれるような映画!シリーズ化してもっとテーマを掘り下げてほしい!

 映画館で映画を観るのが大好きです。始まるまでのワクワク感。今後公開される予告を見ると、「あ、これもチェックしなきゃ」「あ、これ楽しみなんだよね」「何これ面白そう!」とずっと楽しい時間を過ごせてしまいます。

 ここ最近、結構どの映画を観ても絶対に予告を目にする映画がありました。

「あの、『クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ モーレツ!オトナ帝国の逆襲』の原恵一監督最新作!」
「大人こそ泣ける感動アニメーション!」

 など、こちらの興味を煽る宣伝。異世界への少女の冒険モノ。これは面白そうだ、と期待をもって見に行きました。

 今回は、映画『バースデーワンダーランド』をレビューします。

 一生に一度の誕生日、あなたを奇跡の冒険へ!
 誕生日の前日、自分に自信がないアカネの目の前に突然現れたのは、謎めいた大錬金術師のヒポクラテスとその弟子のピポ
 ――「私たちの世界を救って欲しいのです!」と必死でアカネに請う2人。そしてアカネが無理やり連れて行かれた世界は――
 骨董屋の地下室の扉の先から繋がっていた<幸せな色に満ちたワンダーランド>! ふしぎな動物や人が住む世界から、色が消えてしまう!その世界を守る救世主にされたアカネが大冒険の果てに下した、人生を変える決断とは?
 一生に一度きりの、スペシャルでワンダーな誕生日が始まる!

 最初から美しい映像に目を奪われました。でも、主人公のあかねはそんな美しい天気にも悪態をつきます。

 小学生女子にとって、友達関係の悩みというのは世界の美しさを奪うほどに大きな問題です。彼女の世界は教室の、あの仲良しグループが大部分を占めているのです。

 誕生日前日という心躍る時間も浮かない気持ちで、あの空間にいくのが嫌で、仮病をつかって逃げてしまいます。

 こんな風に逃げてしまいがちなあかね。「でもでもだって」と口をついて出てくる彼女は異世界に行くことにも否定的です。渡される「前のめりのイカリ」によって半ばムリヤリ前のめりに進んでいくことになります。

 この前のめりのイカリ、欲しいな。尻込みしてしまう時、こうやって強制的にでも進めてくれる力が欲しい時って、現代人には絶対にありますよね。大人だろうと子供だろうと。みんなきっかけが欲しいんです。

 物語を通して、後ろ向きなあかねと対照的な叔母のちいちゃん。異世界に行っても怖気ずくことはなく、自分の興味の赴くまま、心のままに行動し、意見を述べる姿がとても素敵でした。

 あかねがちいちゃんのことがちょっと苦手、と思っていたのはこういったおばさんの言動に、多少の憧れがあったからなんだろうな。異世界なんていったら不安だろうに、物怖じしないで自分の要求を伝えること、それは違うと思ったことに物申すことができること。それは全部あかねができずにいて、かつどうにかしたいと思っている部分だからです。このふたりの対比があればあるほど、物語が進んだ際のあかねの決断に心打たれます。

 でも散々広告されていた、“大人こそ泣ける”という部分は思っていたりよ薄かったように感じました。これって後につながるのかな? この人はこの後どう出てくるんだろう……? という伏線のように思えて、実はそうでないものが多かった気がします。もちろん、物語の中で起きたトラブルが解決されるシーンや、最後の別れなど涙腺ポイントはありましたが、「泣く」というまでの揺さぶりに至るものではなかったかと思います。泣ける! という宣伝に、ずっと来るか来るか、と身構えすぎていたのかもしれません。

 映画ってだいたい2時間ですよね。映像の中にヒントがたくさん隠れていた部分もあったと思いますが、これがTVアニメシリーズだったらもっと世界観やキャラクターを掘り下げることができたように思います。

 ワンダーランドの中で気になる地方、気になるキャラクターはたくさんいました。ザン・グの過去、心理、ドロポとの関係の深堀。ピポがヒポクラテスを師に仰いだきっかけ、過去の緑の風の女神のエピソード。大きな鳥はその後どこに行ったのかな。卵を守っていた鳥はちいのことを覚えているんでしょうか?

 今まで知らなかった世界に飛び込むことで、悩んでいたことが大したことがなかったと知ります。他のことで何かを成し遂げたことで、今まで踏み出すことができなかった大きな一歩を踏み出すこともできたのです。

 誕生日の前日にワンダーランドで大冒険をしたあかねは、ひとつ歳を取った時には大きな成長を遂げていました。いま何か悩んでいる小学生の子供たちも、GWの間にこの映画で大冒険を体験して、新しい気持ちで進んでいってくれたらなって思います。そんな背中を押してくれる映画になるかもしれませんね。
(文=華山みお)

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歴史に残る珍作となりそうだけど大丈夫?
ちびまるこちゃんって何歳になっても観れるよね。