『わたし、定時で帰ります。』中丸雄一との恋人シーンが相変わらず最高だったが、女性の働き方を問うシリアスな面もある第2話レビュー

2019.04.24

『わたし、定時で帰ります。』公式HPより

 今季大注目のドラマ、『わたし、定時で帰ります。』第2話がオンエアされた。

 結衣(吉高由里子)の先輩であり、新人時代の教育係で、双子を出産、育休をとっていた賤ヶ岳八重(内田有紀)が職場復帰する。
 復帰早々、はり切り過ぎている賤ケ岳の様子に、結衣をはじめ周りの社員は動揺を隠せない。そんな中、製作4部のメンバーがコンペで勝利し、大手飲料メーカーの日本初上陸のPR案件を受託した。
 ディレクターには賤ケ岳がなるが、サイト公開の直前にトラブルが発生する…。
 一方、賤ケ岳の夫の陽介(坪倉由幸)から、双子が熱をだしたと連絡が入る。子育てと仕事を両立させようと葛藤している賤ケ岳に結衣は…。

 先週から地雷オーラが漂っていた内田有紀演じる賤ケ岳先輩。予想通りにガンガンと問題を起こしていく。

 「これだから子持ちは」と言われたくないが故に、自分にも周りにも厳しくなり余裕をなくしていく。ゴリゴリと仕事に取り組む姿は、ブランクなど感じさせないような気もするが巻き込まれる周りはたまったものではない。

 特に被害を被ったのが先週の地雷だったシシド・カフカ演じる三谷。彼女が先週モメた末に勝ち取ったプロジェクトのリーダーも賤ケ岳さんに取られるし、やり方にもケチをつけられるし、踏んだり蹴ったり。ちょっと同情したくなってしまった。

 しかしそんなお騒がせな賤ケ岳先輩、必死になるのにも理由があった。自分が独身だったころ、今の自分と同じような立場だった先輩たちがどんな風に言われていたかを聞いていた。自身が妊娠を報告したときの待遇が悔しかった。それを変えるためには見返してやれるだけの結果を出したかったのだ。

「妊娠したらそこでリセット」
「男だったら子供がいることなんて問題にもならないのに」 

 という賤ケ岳先輩のセリフに頷いた方、多いのではないだろうか。

 女性の働き方改革が叫ばれてはいるし、産休・育休に対しての取り組みが進んではいるのでしょうが、やはりまだまだ日本全体で働くママたちに厳しい現実は多いのだ。働きたい気持ちに反して、保育園の問題、子供の健康問題、旦那さんとの連携、シングルマザーで親が遠方に住んでいる、既に他界してしまっているなどの場合はもっともっと大変な状況だろう。

 そういった状況を見てきて、体で感じて、だからこそ子供を産んだ自分だからこそ、その状況を変えたかったのだろう。

 自身の招いたミスで仕事を日付が変わるまでこなし、家に帰ったら子供のミルクを作り、離乳食を作り、洗濯物をたたみ、家事をこなす。旦那さんが育休をとっていたとしてもやることがなくなるわけではないのだ。

 もちろん、ミスがあったこと部下への対応は「大変だから」と帳消しになるものではない。だけど、ひとりだけで頑張らないでいい。辛かったら周りを頼っていい。ずっと賤ケ岳先輩にそれを伝えていたのは、吉高由里子演じる結衣だった。

 まだ2話だが、見れば見るほど結衣が大好きになっていくこのドラマ。結衣が発するセリフの中で「人間みんな中途半端です。完璧な人間なんていません」というのがあったのだが、筆者からみたら結衣は完璧に見える。

 無理はしない。だけど時間内で定められた仕事はきっちり終えて、社内の信頼も厚く、定時の後は自分の時間を楽しみ美味しいごはんを美味しそうに食べて、大好きな彼氏にプロポーズされて……。

 完璧だよ!!! みんなが望む働く女の理想像だって! と思った。そして吉高由里子の演じ方がいやらしくなく、好感度が高い。

 先週も書いたが、中丸雄一演じる彼氏との時間のシーンが最高だった。ごはんを一緒に作りながら途中で食べさせあったりしてるの。かわいい。それやりたいよ。仕事に理解があり、愚痴を言ってもポジティブな言葉に変換してくれる。完璧すぎて怖い。この後の展開で彼と別れたり、会社関係で対立したりするようにならないことを願う。

 プロポーズのシーンで問題上司の福永(ユースケ・サンタマリア)が出くわしたことが、今後どんな影響を及ぼすのか。また、泉澤祐希演じる来栖くんが来週とんでもない事件を巻き起こす。「辞めたい」が口癖の新人を結衣はどんな風に手を差し伸べるのか。来週も楽しみだ。
(文=三澤凛)

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