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華山みおの物語探索 その35

『シャザム!』爆笑必至の痛快SFアクションヒーロー!映画界禁断のツッコミやあのヒーローもカメオ出演(!?)など見所満載!

2019.04.21

 この映画が家族について語られている映画だからこそ、この対比が色濃く出ている。実の家族なのに、自身のことを信じてもらえず傷ついていたシヴァナ。誰のことも信じていなかったのに、血のつながりのない家族が自身を心から信じてくれるビリー。

 シヴァナがヴィランであればあるほど、その心情を想像して切ない気持ちになってしまいました。家族の大切さ、それは血のつながりではなくお互いを思いやる心。ビリーの新しい家族は国籍も苗字も性別も年齢も、すべてを超えてお互いを思いやっている。シヴァナにも、そういった人が周りにいてくれたらよかったのに、と思わずにいられません。

 この物語の中で、ビリーの新しい兄妹であり、シャザムのマネージャーとして活躍するフレディ。生まれつき足が悪く、ヒーローオタク。目の前にヒーローの力を手に入れた男が現れたら興奮することは間違いありません。しかしビリーはその力を持て余してるし、ヒーロー然としてくれません。別にこんな力なんてほしくなかったし、的な態度も気に食わないのです。

 一番欲しかった力を自分じゃない身近な人が手に入れるって一番こたえますよね。足のコンプレックスも、あの強靭な体があれば解決するのに……。みたいな気持ちが少なからずあったんでしょうね。

 だからこそ、最後のバトルシーンで兄妹たちが変身を果たしたときフレディが変身した直後からひとりだけフワフワ浮いてるのが最高に愛しかったです。他の誰よりもフレディで良かったと思えます。

 個人的にツボだったのが、ヴィランが戦いを目前に訥々と語るシーン。爆音の中で低く渋い声で話をして内容がちゃんと聞き取れるのは、もはやお約束じゃないですか。それにちゃんと突っ込んでくれたところが最高だった。フィクションの中でもはお約束で済まされていた部分に、現代のお子様が「いや、それおかしくない?」ってちゃんとつっこんでくれるとは。映画界の中でも、それって非現実的じゃね? ってみんな思ってたんですね。

 パンフレットによれば、この『シャザム!』の世界では他の様々なヒーローたちが普通にいる世界だそうです。シャザムはこれから、すでに活躍しているヒーローたちと肩を並べていけるのでしょうか。だから最後にあの人が出てきたんですね……。フレディのあの表情が最高でした。皆さん、本編終わっても劇場の明かりが点くまで席は立たないでくださいね。

 あと映画のパンフレットって基本映画の上映期間中にしか手に入らないので、ぜひ手にとってほしいです。『シャザム!』のパンフレットは教科書仕立てになっているのですが、シャザムのスーパーパワーを科学的に説明しているページが滅茶苦茶面白いです。

 今まで喰わず嫌いしていたSF、アクションというジャンル。『バンブルビー』もトランスフォーマーシリーズという歴史あるシリーズものだったけど、初心者大歓迎な作品になっていました。今回もそうでした。ファンだけでなく新しい視聴者を迎え入れようとしてくれるのは、とてもありがたいです。

 『シャザム!』は続編がありそうな終わり方だったので、ここから入れて良かったかも。他のヒーローの話をフレディが語っていたのですが、ヒーローの小ネタが分かっていたほうがもっと楽しめただろうから、改めて他のヒーロー映画を観たいという気持ちにさせてもらえました。GW中、ぜひ劇場に足を運んでみてくださいね!
(文=華山みお)

 

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