『インハンド』スーパースプレッダーに罪はあるのか?シリアスな展開にも濱田岳のキャラが冴えた第2話レビュー

 山下智久主演のサイエンス医療ミステリードラマ『インハンド』、第2話がオンエアされた。

変わり者だが、天才的な頭脳を持つ寄生虫学者・紐倉哲(山下智久)は、巨大な植物園を改造した自宅兼研究室に引きこもり、気のむくままに好きな寄生虫の研究をしている。

一方、医者としての道を断たれて紐倉の助手になったお人好しの高家春馬(濱田岳)は、早速ドSな紐倉からいいように使われていた。

ある日、病院から紐倉の元に感染症の疑いがある意識不明の女性について、調べてほしいという依頼が来る。紐倉がその女性の血液を調べてみると、“ハートランドウイルス”という日本ではまだ発見例のないウイルスが検出された。紐倉と高家は感染ルートを調べることに。感染女性の自宅を訪ねてみると、出てきたのは9歳の息子・渉(込江大牙)だった。母親について話を聞くが、渉には心当たりはないようで……。

そんな中、新たな感染者が出たという連絡が入る。情報を聞きつけた内閣官房サイエンス・メディカル対策室の牧野巴(菜々緒)が、紐倉たちの元へ飛んでくる。紐倉、高家、牧野は、再び3人で力を合わせて問題解決に挑んでいく。だが調べを進める中で、予想外の事実が明らかになり……。

 今回は、第1話で構築された人間関係が賑やかに展開される。すっかり尻に敷かれるのが板についた高家。今回もゴールデンタイムにしたらまずそうなポーズをとらされたり、部屋の掃除、荷物持ちなど、なんでもやらされている。さらに客である牧野にも食料を奪われたりと、レギュラーの中でヒエラルキー最下位に位置付けられたようだ。

 医療については、ハートランドウィルスというウィルスを中心に話が進む。一般人に聞きなじみが薄いウイルスだ。文字や動画、イラストなどを織り交ぜて説明が入る。

 しかし先週同様、紐倉の説明台詞だけではどうしても内容が頭に入ってこず、ウィルスの脅威がいまいちピンとこない。多くの人にドラマを楽しんでもらいうたいという思いは、伝わってくるのであるが。

 スーパースプレッダー(感染症を引き起こす病原体に感染したホストのうち、通常考えられる以上の二次感染例を引き起こす者を指す。スーパー・スプレッダーは、自分以外の多くの人へ感染を拡大させることから、感染症コントロール・感染症疫学上での大きな懸念材料となる。)という存在が問題となった第2話のキーとなっている。病気のこと、感染病のこと、知らないことが実にたくさんある。スーパースプレッダーという存在もこの話で初めて知った。

 周りに感染させてしまったスーパースプレッダーは、小さな少年だった。両親、周りの大人、ばたばたと人が死んでいく中で、原因が自分だったと知ったとき、少年はどんな気持ちになっただろう。スーパースプレッダーの存在はフィクションではない。もしも自分がそうなってしまったときのことを想像すると、いたたまれない気持ちになった。

 人に対して愛想というものを振りまくことが終ぞなかった紐倉も、この境遇の少年に対して若干の気遣いを見せる。自身の右手の義手は、飼い犬による感染症が原因とウソをついた。悪いのは少年ではなく、病原体なのだ。

 記者会見のシーンで「感染症をばらまいたスーパースプレッダーに罰を与えるべきでは?」という質問が飛んだ。感染を移され、亡くなった方の遺族はその人を犯罪者にしてしまいたいと思うのは理解できなくもない。しかし、これは正しいことなのだろうか。

 知らないことが罪になることもある。こういったドラマなどを通じて偏見や誤解が少しでも軽減されることを願う。

 物語の最後では、紐倉の過去について情報がもたらされる。彼の右手に、そして過去に何があったのか。来週は高家に危機が迫る。
(文=三澤凛)

 

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