『マザーグール』(菅原キク)少女たちの成長譚でもあるサバイバルホラー!何人が生き残り、脱出できるか!?

 修学旅行中に何から知らの事故があり、謎の小島に漂着し、サバイバルが始まる……そんなテンプレのような展開の漫画は幾多もあるが、それぞれに個性があって面白い。今回は漂流したのが全員スーパーお嬢様というちょっと変わった設定のサバイバルホラー『マザーグール』(徳間書店)を紹介する。作者は菅原キク氏だ。

 以下、公式紹介文の引用だ。


 修学旅行へ向かうお嬢様学校の生徒達を乗せた豪華客船が難破し、一部の生徒達が孤島へ流れ着いた。桐島朔也は無人島の砂浜で目覚めた。そこで彼女を介抱していたのは、学内で落ちこぼれといわれている楓子・なつの・すずの三人。三人を蔑みながらも他の生徒たちと合流するためジャングルの中を歩く朔也が見たのは、同級生を襲う人体に似たパーツを持った異形の化物だった――…!


 まず本作の特徴であるお嬢様が漂着するという点だが、この設定はサバイバルホラーと案外相性が良いようだ。お嬢様は何不自由も、苦労も悩みもないように思われるが、実はそうではなく、厳しい競争社会のど真ん中を歩いている。そのため、妬み、つらみや虚栄心にまみれ、人を見下すことで自らのアイデンティティーを保っている。自ら判断し、行動できなかったような子たちが、プライドを捨てて“生きる”という最も原始的な欲求のために成長していく様は、なかなかの感動を覚える。

 ただ登場キャラクターが非常に多いため、誰が誰だが理解していくのに少々時間がかかるかもしれない。キャラが多い分、それぞれの成長譚が楽しめるのではあるが。

 島に生息する異形のバケモノだが、容姿があまりにも異形すぎて、生物学的な構造は無視されている。そのためかバケモノが少女たちを襲って食い散らかしても、ホラー慣れしている方には非現実感が強すぎて、さほど恐怖感はないかもしれない。しかし、グロテスクな描写はなかなかのものだ。美しい子たちが肉塊化していくからこそ、惨状が余計に際立つ。

 この作品の怖い点はバケモノに襲われることだけではない。島に生き残った少女たちの精神が壊れて、仲間割れを起こして殺し合いをしたり、新興宗教集団のようになり暴徒化していく点も非常に恐ろしい。精神が病んでいく彼女たちの表情は、一様に楳図かずお作品のようなだ。ギョロっとした目が恐怖感をあおってくる。

 思えば漂着した島はどこか漂流教室に登場する世界に似ていなくもない。バケモノも出てくる。仲間で殺し合いもする。共通点は多いかもしれない。

 実は事故の瞬間に未来にタイムスリップしていた……なんてオチはさすがにないだろうが、既刊4巻になるものの島について分かったことはほとんどない。あと書きによると、島にやってきてまだ1週間足らずしか経過していないとのこと。彼女たちの運命を今後もゆっくりと見届けたい。
(文=Leoneko)

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