『オトナゴロシ』外薗昌也が手掛けるゾンビスプラッターホラー!かなりのゴアも美しい作画で苦手な人も読めるかも!?

2019.04.13

『オトナゴロシ』第1巻/希成、黒澤海、外薗昌也

 ゾンビマンガが次々と量産されていく中、あのスプラッターホラーの巨匠・外薗昌也が原案を手掛けた『オトナゴロシ』の第1巻が電子書籍でリリースされた。今作ではどんな惨劇を見せてくれるのか、これは期待大である。

 以下、簡単なあらすじだ。

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 ある日突然、子供たちが凶暴→ゾンビ化! 彼らの目的は「大人を殺すこと」!? 立凌大学研究生の侑一は、高校生の義妹・美悠と二人暮らし。亡き両親に代わり、美悠を溺愛している。しかし、子供たちが暴徒化したことで美悠と離ればなれに……。
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 今作の特徴は、なんといっても“子供だけがゾンビ化する”という点だ。ホラー映画だと色々な大人の事情もあってか、あまり子供のゾンビが登場しない。だからゾンビファンからすると、子供のゾンビというのはなかなかに新鮮だ。

 しかも、今作のゾンビはそれなりに知性を感じられる。普通、ゾンビというのはただ食らいつくだけしか能がないが、『オトナゴロシ』のゾンビは武器を使用するのだ。時に刃物だったり、鈍器だったりと、殺傷能力が高い武器が何かも判別できるようだ。

 もちろん“ゾンビあるある”で、なぜこの有事が発生したのか詳細なことは分からない。細菌のパンデミックかもしれないと示唆される程度だ。何か事情を知っていそうなキャラが登場するものの、多くは語られない。

 外薗昌也原案作品はとにかくグロく、ゴアでスプラッターだ。『鬼畜島』、『殺戮モルフ』、『パンプキンナイト』や『赤い妹』などどれでも苦手の人からすれば完全に拒否反応を示す作品ばかりである。しかし、今作に限ってはこの手のジャンルが苦手な人でも読めるかもしれない。

 なぜかと言うと、作画が非常に線が細く美しいのだ。どちらかというとBL風の作画であり、ゾンビ自体の描き方も、グロテスクさを強調したものではなく、モンスター感が強い。それに、ちょいちょい挟まれるお色気シーンなんかもあり、過去の外薗昌也作品と少々毛色が異なるのだ。

 とはいえ外薗昌也作品に違いない。まだまだ物語は始まったばかりである。今後、どのような惨劇で我々を震え上がらせてくれるか、楽しみだ。
(文=Leoneko)

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