ufotable脱税疑惑でも止められない? 「マチ★アソビ」の甘い蜜

2019.04.01

マチ★アソビより

 アニメ『Fate/Zero』や『活撃 刀剣乱舞』などを手がける制作会社・ufotable(ユーフォーテーブル)が、脱税の疑いで国税庁から捜索を受けたことが明らかになり、業界に激震が走っている。「文春砲」での報道に各メディアが後追いとしているわけだが、衝撃は業界内だけには留まらない。

 すでに放送・公開が決まっている作品の行く末どころか、徳島市で開催されている同社が企画運営に参画するイベント「マチ★アソビ」の開催すら危ぶまれているのだ。

 2009年に始まった「マチ★アソビ」は、徳島市の各所を会場に用いた巨大なイベント。昨年秋の開催では約7万1000人が集まった。年に一度阿波踊りの時だけは100万人が集まるが、残りの日は過疎だった徳島に新たな賑わいを呼んだイベントなのである。現在では、自治体のほか名だたる企業が名を連ねている。

 当初は、ufotable代表の近藤光による発案で始まった「マチ★アソビ」は、もはや徳島市の経済を回す巨大なシステムになっていることはいうまでもない。だが、国税庁の調査の結果、悪質な脱税とされれば追徴課税のみならず、犯罪として立件される可能性もある。

 いや、もしも立件されなくとも、意図的に脱税を行ったことが明らかにされれば、自治体や企業が今後関係を継続していくのは難しい。いきなりイベント継続が不可能になろうとしているのだ。

「普段はほとんど人がいませんけど、徳島にもアニメストリートみたいなのがあるのは、ufotableのおかげ。それくらい集まるオタクが落とすお金に地元の企業が群がっているんです。こんな美味しい商売を止めるわけにはいかないでしょう。表向きはufotableを外した形にして継続するでしょう」(徳島市関係者)

 昨年、阿波踊りをめぐる利権が全国紙に報じられる事態になってもスルーをしきった徳島の政財界。こんなことじゃ揺るがないか。
(文=大居 候)

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