『娼年ジャンヌ』(黒ミサ会場) 叩きつけられる作者のリピドーに萎えそう……からの射精!

 こちらの『娼年ジャンヌ』。池咲ミサさんの冬コミ新刊です。池咲さんは『快楽天BEAST』や『コミック高』などの男性向け商業誌でも活動されていますが、Twitterでの自己紹介は「凛々かわ美少年凌辱を生業とする闇のショタコン絵描き」だそう。男性向けで名前を知った読者の方に配慮しているのか、pixivアカウントを一般的な男性向け作品と美少年凌辱系とに分割しています。

 どちらも激烈に絵が上手いわけなんですけど、やっぱり本人は美少年が大好きな様子。絵を見れば一目瞭然。一般的な男性向けは、読者が興奮してシコシコできるようにエロく可愛く描いています。では、美少年凌辱系はというと、もうリピドー全開。これでもかと作者自身の欲望を叩きつけている感じがするんです。ようは、作者の「したい」と「されたい」とが、すべて凌辱される美少年の姿で具現化されているわけなんです。

 そんなリピドー全開のこちらの作品。あまりの迫力に、一瞬、読者のオチンポもひるみます。でも読んでいるうちに、次第に黒い興奮が涌いてくるんですよね、これが。二度、三度と読み返しているうちに、必死にシコシコしているでしょう。いや、男女関係なく興奮できる作品ですから、マンズリにアナニーに、それから…………。

 作品は、実在したジルドレェ男爵の史実をもとにした物語。ジルドレェは、かのジャンヌ・ダルクにも仕えた貴族なんですが、後半生では男色に耽り、快楽のために領民を拷問したり、処刑して楽しんだとかいわれている人物です。

 そんな史実をベースに、火あぶりで処刑されたジャンヌの面影を宿す娼年を中心に描いた大河ものなんですよ、これ。72ページとページ数も多めですが、実用シーンばかりが増えているわけじゃなく、物語も濃いのです。

 いろいろと射精しそうになるシーンはあるんですけど、基本は聖歌隊に所属している娼年たちが、モブのおじさんに種付けされるような感じ。なんですか、この汚されている感覚は。

 とにかく、全編を通して綺麗なものが汚されていく絶望感。それが耽美で退廃的な快楽を生み出すんです。名作として、長く語り継いでいきたい作品です。
(文=昼間 たかし)

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