コミックマーケットがついに4日間開催へ 準備会スタッフの新たな試練の行方は

2019.03.21

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 今年からコミックマーケットは前人未踏の4日間開催へ。その開催日まで、いよいよ半年を切っている。この間、コミケ関係者によって幾たびも拡散されているのが、コミックマーケット準備会のコミケスタッフ募集ページである。

 あの巨大な催しを運営するボランティアスタッフ。そのスタッフになることは、決して難しいことではない。義務教育を修了していること(未成年者は保護者の承諾が必要)。一般・サークル・コスプレなどスタッフ以外の形でコミックマーケットに参加した経験があることである。

 参加資格だけならば決して条件は困難ではない。だが、少々ハードルが高くなるのは、いざスタッフになる際に課せられるものである。東京で3回開催される「拡大準備集会」に最低2回は参加すること。そして、設営日を含めた開催期間中、最低二日以上をスタッフとして参加しなければならない。とりわけ「拡大準備集会」への最低2回の参加が義務づけられていることから、地方在住者は困難。現在、地方から上京してくるスタッフはいるけれども、その数は決して多くはない。実質的に首都圏在住でなければ、相当の情熱がなければスタッフになることは難しい。

 そして、いざスタッフになっても、最初は厳しい。通例、最初は外周……すなわち会場周辺での誘導などの担当となるからだ。現在、さまざまな部署で活躍するスタッフも最初はここからスタートだったという。

「とりわけ夏コミは厳しい。炎天下の中、ずっと立って誘導をしなければいけないわけですから。塩飴どころか岩塩が配布されることもあるくらいだから過酷です」(経験10年を超えるスタッフ)

 そんな活動を見ているためか、スタッフになろうというコミケ参加者は決して多いものではない。そうした中で、ついに訪れた4日間開催。そこで、どうやって人を配置し、事故なく閉会まで持ち込むか、一段と苦悩は深くなっている。これからもコミケを存続させるため、スタッフにはならなくとも設営には参加するくらいの情熱を、みんなが持つ必要があるかもしれない。
(文=大居 候)

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