マンガ家になんてなれない。一生の後悔になりそうな「マンガ学部」という学歴

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Photo by Matt Madd from Flickr

 大学でマンガについて学べるのは、もう当たり前になっている。芸術系の学部から社会学系の学部まで、さまざまな形でマンガやアニメ、オタク文化は学問として研究されるようになっている。

 一方で、乱立しているにも拘わらず存在意義を疑問視されているのが、マンガ家を養成する系統の大学学部だ。2006年に京都精華大学がマンガ学部を開設したのを皮切りに、芸術系の大学を中心として、マンガ家になるための技術を学ぶことができる大学が次々と誕生している。

 こうした学部が誕生する背景にあるのは、マンガやアニメを中心にオタク文化が世界から注目されるようになったためだ。2000年代後半から、オタク文化が世界に発信できるものだという認識が広がる中で、日本のマンガ家になるためのキャリアプランは疑問視されていた。

 いくつかの専門学校を除けば、カリキュラムに沿って技術を向上させていくというシステムがないこと。編集の指導、あるいはプロの描き手のアシスタントとして技術を磨くなどの修業方法は、極めて前近代的という風に指摘されていた。

 それこそ「海外では、こうした技術は学校で学ぶものですよ」という意見が、検証もされないまま、まかり通っていたのである。

 なにより、オタク文化が注目される中で、それに則した学部を開設すれば、受験生もたくさん集まるのではないかという大学側の期待もあった。

 そして現在、すでにマンガ学部が誕生して10数年を経過している。どこの大学も、卒業生の主な進路はサイトなどで公開している。そうした資料を見ると、確かに年に何人かは商業誌でデビューを果たしていることはわかる。

 でも、大多数の就職先は一般企業。良くて、オタク産業に関わる会社ならまだマシなほうで、まったく関係ない業種を選択する学生も多い。

「こうした学部を目指すのは、親に大学くらいは出ておかないとと、尻を叩かれて受験するモラトリアム志向の学生がほとんどです。本気でマンガ家になりたいと考えている学生も一握りいるかいないか。なので、授業では技術を身につけてゲーム会社、あるいは印刷会社くらいには……と、指導をしてはいますが」(大学教員)

 もしも、4年間のモラトリアムを楽しんだとして、学歴はずっとついて回る。まったく一般の職業に就いた時に「マンガ学部を卒業しました」は、いったいどんな印象を持たれるのか……。
(文=是枝 了以)

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