華山みおの物語探索その29

『先生、あたし誰にも言いません』JKと教師との禁断の恋…教師だから隠さねばならない趣味…教師である前に一人の人間であることを再認識させる作品

 マンガやドラマの題材として憧れるシチュエーションってありますよね。古今東西『ロミオとジュリエット』然り、“禁断の恋愛”を描いた作品は甘くて切なくてドラマチックで目が離せません。

 今回は、そんな“禁断の恋愛”の中でも憧れ度の高い教師×生徒が題材の藤緒あい先生の『先生、あたし誰にも言いません』をレビューします。

 以下、あらすじです。

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 “特別いいこと”が一つもない人生を送ってきた高校教師・清野正広。

 彼の平穏な毎日は、ある女生徒のせいで壊れ始めて…?

 教師×生徒

 その恋愛は犯罪?純愛?

 奇才・藤緒あいが恋愛の境界線を描く問題作!
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 小さな頃、教師というのは〝教師という生き物”だと思っていました。だけど大人になって、どういった過程を経て教職に就くのかを知り、数多ある職業のひとつにしか過ぎないことを知りました。学生時代に私が教師の方々に対して取っていた態度を思い返し、猛省することしきりです。

 先生だってただの人間です。学校を卒業して毎日仕事に追われる日々を送り、しかも生徒たちの人生に大きな影響を与えるという大きな責任を負っています。モンスターペアレントや同僚、そして多感な生徒を相手にするってすごいですよね。

 そんな教師である主人公正広は普通の男。教師になったのもなんとなくだし、かわいい女の子はもちろん好きだし、女子高生に若い男性教師としてモテているのも悪い気はしない。だけど生徒に手を出したらその後自分がどうなるか、なんて火を見るよりも明らかなのでちゃんと線引きしていたのですが……。

 タイトルからしてちょっと不穏な空気をまとっているこの漫画。「誰にも言いません」の後に「だから…」と何か条件が付きそうな予感がしませんか?

 作中に正広は寄原という生徒と関係を持ってしまいます。それも寄原側から迫れた形で。だけど「誰にもいいません、だから…」と条件を突き付けられてしまうのです。そこから寄原と付き合うことになってしまいます。

 まだ1巻までしか発売されていないのでピースが揃っていない印象なのですが、恋愛要素がある以上、ライバル的なキャラクターも登場します。正広に対してあからさまな好意を示して自身の魅力を武器にしてくる結木ちゃん。彼女がふたりにどう絡んでいくのでしょうか。「先生、あたし誰にも言いません」な関係はどうなってしまうのでしょうか。

 そして、その恋愛関係軸とは全く別で動いているもう一つの「先生、あたし誰にも言いません」があります。

 正広の生徒である野田さんとその従兄弟はBLが大好き。一方、堅物で有名な教頭先生も実はBL好き。ひょんなことから野田さんたちに知られてしまうのです。こっちのお話しも、どんな展開を見せるのかが気になります。

 正広も教頭先生も、“教師”でいる部分なんてその人の一部分でしかないわけだから、ひとりの人間として、色々な側面を持っていて当たり前です。だけど世間が教師に求めるのは“聖職者”である以上、モラルに反することをしたときに、他の人より衝撃が大きくなってしまいますよね。

 教職者は交際関係も趣味嗜好も、“教師”という肩書に当てはめて行動するようになってしまいます。その肩書の中で生きていくうえで、「先生、あたし誰にも言いません」という生徒の言葉にこのふたりはどう向き合っていくのか。

 これからの展開に、目が離せません。

『先生、あたし誰にも言いません』JKと教師との禁断の恋…教師だから隠さねばならない趣味…教師である前に一人の人間であることを再認識させる作品のページです。おたぽるは、マンガ&ラノベの最新ニュースをファンにいち早くお届けします。オタクに“なるほど”面白いおたぽる!

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