ちゃんみお道中膝栗毛~第9歩

催眠術師が身近にいて超ビックリ!実際にかけてもらってきたよ!本当にかかるのか……結果はいかに!?

催眠術師が身近にいて超ビックリ!実際にかけてもらってきたよ!本当にかかるのか……結果はいかに!?の画像9常に理路整然と話す漆原さん。

華山:どれくらいの期間で習得したんですか?

漆原:何をもって習得というかによるんですけど、幻覚を見せるところまでいったのは1か月程度です。

華山:そんな短い期間で?! 

漆原:どうしてかと言うと、催眠の8割は被験者によるからです。つまり、幻覚を観られる能力の人がいたら、こっちの催眠誘導が間違ってさえいなければ幻覚を見せられるんです。あとは細かなテクニックがいっぱいあるので、それらを駆使しながらかからない人にどうやってかけるかみたいなことを研究して繰り返すのです。

華山:東京大学大学院在学中に催眠を研究していたと伺ったのですが、大学院にそういう専門分野があったんですか?

漆原:ないです。だから催眠を研究したいと申し出たんです。

華山:そもそも催眠って簡単に言うとなんなんでしょうか…? 

漆原:僕がよく使う催眠の定義は、「何かが起こるという期待があったときに、本当にそれが実現されてしまう現象」を指します。具体的に言うと、「水がコーラになるわけがないけどなるかもしれないと期待を持って水を飲んだら、本当にコーラの味がする」とか、「いま目の前にアイドルが来ている、そんなわけないけどそうかもしれないという期待があったとき、目を開けたら本当にアイドルがきているように見える」とか、「立てるだろうけど、もしかしたら立てなくなるかもしれないと思うと立てなくなる」とか、期待に対する感覚の実際の変化が催眠だなって。

華山:すごくわかりやすい説明です……! ちなみに催眠って科学的に存在が証明されているんでしょうか?

漆原:科学的に証明されています。分かりやすいのは、ストループ効果(※編集注:文字意味と文字色のように同時に目にするふたつの情報が干渉しあう現象)と呼ばれるものが催眠によって抑制できることが分かっています。催眠以外ではどんな方法を使ってもストループ効果を抑制することはできなかったので、そのことから催眠が特別な状態であることが示されました。

 そもそも、催眠の研究というのはとても不思議で、心理学で最も権威のある学会で催眠の定義がされているんですけど、それが「催眠術の定義は人によってそれぞれ異なる。」というとてもフワっとしたものなんです。つまり、催眠がなんなのかの統一見解がないということになります。

華山:催眠術を研究、習得して良かったこと、悪かったことはありますか?

漆原:悪い点は、催眠はあまりポジティブな分野で使われないために、パブリックイメージは良くありません。だから催眠術師というだけであやしい奴と思われることが多いです。

 逆に良かったことは、催眠って相手を否定しない技術なので、対人関係には良いかしれません。会話を合わせるときに、相手を絶対に否定しないコミュニケーションのやり方とかを学べるんです。

華山:私が初めて催眠を意識したのが、漫画『るろうに剣心』に出てくる悪役キャラクターの鵜堂刃衛が使う技「心の一法」(注:眼から気を発し、相手の眼に叩き込み金縛り状態にしたり、自らの潜在能力を限界まで引き出したりする催眠術のような技)なんですけど、この技のような自己催眠ってかけられるものなんですか?

漆原:まぁ、できる……んじゃないですかね。ぼくにはできないですが、暗示にかかる能力が高い人がやれば自己催眠の習得は比較的楽だと思います。

華山:催眠にかかりやすくなるにはどうしたらいいんでしょう?

漆原:繰り返しやっているとかかりやすさが上がっていくという研究があるので、機会を変えつつどんどんやるのがよいと思います。人によって催眠誘導も仕方も違うので、異なるスタイルの催眠を受けてみるのも手ですね。

華山:では最後に、催眠が今後どのように世間に認知されてほしい、などはありますか?

漆原:実は日常で催眠的な現象が起きているかもしれないということは、知っておいてほしいですね。

 催眠はあくまでも「かかる側の能力」です。なので、催眠で幻覚を見られる人は基本普段どこかでも幻覚を見ている可能性がありますし、何かをすごく好きになってしまって執着してしまう人は、それが催眠のような効果で起きている可能性もあります。

 例えば金縛りで体が固まってしまって動かないっていう人は、そういう自己暗示にかかっているなんてこともありえます。

華山:紙で指を切っても気づくまで痛くない、みたいな感じですか?

漆原:そうです。とても近いと思います。意外と人間の感覚ってあてにならないことを知っておいたほうが、生きやすい気がするんですよ。

 

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 催眠というものに対して、知識が全然なく漠然としたイメージを持っていたのですが、今回漆原さんに色々お話しを伺ったことでだいぶ印象が変わりました。体験できる場は少ないかもしれないですが、私はもっと多くの方に催眠を知ってもらいたいと思いました。けっこう偏見に満ちていますよね。

 そして私、催眠にかかりまくりのWさんが羨ましくてたまらないので、早々に漆原さんに連絡してまた催眠にかけてもらいたいと思います。主観的に想像する。信用する。私は多分警戒心強すぎるんだろうなぁ。

 漆原さん、本当にありがとうございました!!

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