板橋:個人的にプロレスリングZERO1っていう団体と仲良くて、そこで原作のゴキブリマスクをデビューさせてもらったりしていたんです。それで2年くらい絵本プロレスといって、後楽園ホールで、試合前にリングに上がって、絵本読んだりしてたんですよ。そういった地道な活動というか、作品を広める活動をしていくことで、結果的に絵本としては多くの方に知ってもらうことができました。
そんなときに、アミューズが棚橋選手の次の道を考えたいと(※新日本プロレスの選手はアミューズとタレント契約を結んでいる)、案を考えていたようです。その案の中に『パパはわるものチャンピオン』があって、棚橋選手がこの本を知ってくれていたこともあって、「やりたい」って言ってくれたんです。そこからトントン拍子に決まっていきました。
でも実は、原作の初期って棚橋選手はゴキブリマスクのモデルではなく、ドラゴンジョージのイメージだったんですよね。だけど、イラストの先生が肖像権の侵害だろうってくらい棚橋選手そっくりに描いてきちゃったんですよ。結果的には良かっですが(笑) 棚橋選手はお子さんが通っていた小学校で読み聞かせの時間で本を読んでくれていたり、ベストファーザー賞取るくらいの方ですからね。
華山:ではもともと、絵本販売時には実写の想定はなかったんですか?
板橋:いやぁ、なかったですよ。最初からそんな稀有なこと狙っていませんよ。絵本ってアニメになったりはしますが、実写化されたのって、日本初なんじゃないですかね。
華山:板橋先生といえばやっぱり『BOYS BE…』のイメージが強いですが、そもそもなんで絵本を作ろうと思ったのですか?
板橋:『ウラナリ』っていうヤングアダルトの小説を前に書いたのですが、それを知り合いのプロレスファンの編集者が読んでくれたんです。彼はそのとき児童書を扱う部署にいたので、とりあえず「本格的な児童書を一冊作りましょうか」となりました。
でも最初のあいさつ代わりに作るから、売れないとまずいですよね。そこで色々考えて、購入層をジイさんとババアにターゲットを絞った『ぼくは孫』ってのを作りました。それが思いのほか好評で、重版したんです。実績作ったってことで、次の本も出せることになり、そこでプロレスの絵本って作れないかなと思ったんですよ。そうしたら編集の彼も「難しいけど、ぼくもプロレスにお世話になったし、(プロレスがその当時、下火だったこともあり)なんとかしたいです」と言ってくれて、実現にこぎつけたんです。
華山:そもそも児童書には興味あったんですか?
板橋:ありました。もともと江戸川乱歩の『少年探偵団』シリーズとか、そういう本の世界の入口みたいな作品を絶対書きたいという思いはありました。
いまって本が売れなくなりましたよね。ぼくは世代的に古いので、ネットで売られても本になった気がしないんですよ。「はい、これ出ました」と物を渡せる仕事がしたいんです。そうやって考えたときに「最後まで本としての形が残るのって絵本じゃないかなぁ」って思っていたんです。それに、今までやってないようなものをちょとやりたい、そこにはもっと広がりがあるとも感じていました。
華山:次回作も絵本ですか?
板橋:11月に『パパ』シリーズの新作が出ます。
華山:しばらく絵本は『パパ』シリーズを続けるのですか?
板橋:それもありますが、田口選手の演技があまりにも素晴らしかったんで、今回の映画とは無関係に、ぼくの中の彼のイメージにそった作品を書いています。でも企画会議も通っていないので、出版されるかどうかも分かりません(笑)
華山:どんな次回作が生まれるのか、今から楽しみにしています!
まだまだ、板橋先生の映画の裏話、『BOYS BE…』連載時の裏話、たくさんのお話しをしていただいたのですが、あまりにも書いてはいけないことが多かったため、インタビューの模様はここまで……! 板橋先生、楽しいお話しをありがとうございました!
これからの展開も楽しみな絵本『パパはわるものチャンピオン』シリーズ。 映画もまだまだ公開中なのでぜひ足を運んでみてください!
【パパはわるものチャンピオン公式HP】
http://papawaru.jp/
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