「発祥の地」記念碑もこれから乱立する? 全国でアニメ聖地巡礼の石碑ができる可能性はあるのか

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長野県上伊那郡飯島町公式サイトより

 7月に『究極超人あ~る』の聖地であるJR飯田線・田切駅(長野県)に誕生した「アニメ聖地巡礼発祥の地」記念碑。これまでアニメやマンガにちなんだ「聖地巡礼」は、あちこちで行われているが、これからは聖地巡礼にちなんだ石碑が全国で建立されることになるのかも?

「聖地巡礼」にちなんで石碑を建てるという初めてのケースに注目しているのは、やはり石材業界。その業界専門紙である『日本石材工業新聞』では、さっそく「アニメ聖地巡礼発祥の地」記念碑の話題を取り上げている。

 記念碑に言及したのは、この紙面では人気連載らしい「内藤理恵子の墓石業界見聞録」だ。

 記事の内容は基本的には、これまでの建立の経緯をまとめたものだが「協力してくれる自治体などを見つければ、あなたの街にもアニメ聖地の碑を建てられるかもしれません」と言及している。

 果たして今後、大洗町に「ガルパンの碑」が立ったり、秩父市に「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。の碑」が建立されたりするのだろうか。

 いや、実のところ田切駅が「アニメ聖地巡礼発祥の地」ということに異を唱える人もいる。なので、全国のあちこちに「本家アニメ聖地巡礼発祥の地」記念碑とか「元祖アニメ聖地巡礼発祥の地」記念碑とか「真のアニメ聖地巡礼発祥の地」記念碑が建立される可能性も無きにしも非ず。確かに石材業界には、ビジネスチャンスかもしれない。

 ただ、田切駅に「アニメ聖地巡礼発祥の地」記念碑が建立された背景にはそれ相応の長い歴史がある。

 もともと、田切駅のある伊那谷はアニメ以前から「聖地巡礼」で知られた土地。というのも、1943年に東宝が制作した長谷川一夫主演の映画『伊那の勘太郎』は戦時下にありながら大ヒット。この人気は長く続き、52年には再び長谷川一夫主演による大映製作の『勘太郎月夜唄』が公開されている。

 映画のおかげで、伊那の勘太郎を実在の人物だと思う人はいるし、観光客も増える。喜んだ地元の人々は58年に伊那市街を見下ろす古城跡の春日山公園に「伊那の勘太郎碑」まで建立している。そうした背景があったから「アニメ聖地巡礼発祥の地」記念碑を有志で建立しようという話になった時も、大いに盛り上がったわけである。

「伊那の勘太郎碑」の建立と共に始まった、夏の「勘太郎まつり」は「伊那まつり」と名前を変えたものの、現在まで続いている。もし、石碑をつくるならば、これくらいのやる気と面白がり精神が欠かせない。
(文=昼間たかし)

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