恋愛をテーマにした物語には障害がつきもの。数々の物語が身分を越え、歳を越え、人種を越え、次元を越えてきました。性別だって、越えるんです。
今回は、コダマナオコ先生の百合漫画『親がうるさいので後輩(♀)と偽装結婚してみた。』をレビューします。
あらすじはこちら。
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子供の頃から、親の敷いたレール通りに生きてきた真知。上場企業に就職し、ようやく親からアレコレ言われなくなる…と思いきや、今度は「お見合いして結婚を!」と迫られて爆発。後輩ジョシ・花と偽装結婚することに。昔告白された相手との同居生活は、窮屈な様で、意外にも心地よくて…。表題作3話に加えて、幻の読切作品「無酸素恋愛」を加えた著者待望の作品集。
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嘘から出たまことの話。
はるか昔からBLも百合も物語の中では愛されてきました。もちろん現実世界でも多くの愛が育まれており、昨今はメディアでも多く取り上げられるようになりました。
私は百合やBLの作品を多く読んでいた、というわけではないのですが、どの作品でも共通した“事件”が起こりますよね。異性が恋愛対象だと思い込んでいる両親や周りからの反対や、偏見の目を持たれて肩身の狭い思いをする……というものです。
この作品も、タイトルから『親がうるさい』と銘打っているだけに、親からの偏見がもちろん出てくるのですが、メインとなるのは全然そこではなく、主人公・真知の心の動きです。
偽造のためとはいえ、他人だった花と生活を共にすることによって、確かに変わっていく真知の変化が、ていねいに描写されています。
人と人が関わると、絶対に何かが変わるということ。人が恋をすることは自然なことで、その対象は『人』であって、それが必ずしも異性でないとおかしいわけではないということ。当たり前でシンプルな答えがこの物語には描かれています。
個人的には、花の行動力が大好きです。オープンにして明るく振舞って入るけど、自分がレズだと告白して、断られて、その後も普通の後輩としているのってすごく勇気がいると思うんです。その後に再度、次はプロポーズみたいに『私と偽装結婚しませんか?』っていうのって、どんなに冗談まじりだとしても、超勇気がいると思うんですよ!!!
私、多分フラれたらしばらく普通にお話しも出来ない……。「真知が必要以上に警戒しないように細心の注意を払って、元の仲のいい後輩って見てもらえるように頑張ったんだろうな」とか、「一緒に暮らし始めたときとかも茶化したりしてるけど、色んなこと頑張ったんだろうな」って、想像するとキュンとします。
どんどん相手が好きになって、その人に影響を受けて変わっていって、好きって気持ちと向き合っていく姿にキュンとさせられたら、同性も異性も関係なく素敵な恋愛漫画なんですよ。
好きな人がいるって、いいなぁ。最近恋愛系漫画のレビューが増えてて、余計にそう思うのでした。
(文=華山みお)
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『親がうるさいので後輩(♀)と偽装結婚してみた。』
掲載誌/レーベル:百合姫コミックス
著者:コダマナオコ
出版社:一迅社
『親がうるさいので後輩(♀)と偽装結婚してみた。』愛は全てを超越する…百合にくくられない素敵な恋愛漫画!のページです。おたぽるは、声優、人気連載、漫画、アイドル&声優、マンガ&ラノベ、同性愛、百合、一迅社、LGBT、華山みお、物語探索、コダマナオコ、百合姫コミックス、親がうるさいので後輩(♀)と偽装結婚してみた。の最新ニュースをファンにいち早くお届けします。オタクに“なるほど”面白いおたぽる!
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