『インゴシマ』漂着した高校生に襲い掛かる島民はまるで食人族? お色気満載のエログロサバイバルホラー!!

2018.07.09

『インゴシマ (2)』/田中克樹・天下雌子

 いつの時代も島というのはミステリアスで、ホラーの対象となるようだ。謎の島を舞台にしたマンガでは、『彼岸島』や『鬼畜島』、『自殺島』など枚挙にいとまがない。

 さて、そんな“島”を舞台にした新たなホラーを今回紹介しよう。『インゴシマ』だ。

 簡単に説明すると、修学旅行先に向かう高校生を乗せた客船が荒波に飲まれ、謎の島に漂流し、現地の部族めいた謎の島民と決死のサバイバルを繰り広げる……という内容だ。生き残りをかけるという点では、『バトル・ロワイアル』風でもある。

 『インゴシマ』の特徴としては、なかなかハードなゴア描写と、手マンや強姦などハードポルノ描写が満載なことが挙げられる。エロとホラーは、ハリウッドホラーの金字塔である『13日の金曜日』でも頻繁に見られるように、暴力性と結び付けやすいからか、非常に相性がいい。

 『インゴシマ』では特に、奇妙な島民の儀式めいた妖術で、生徒を嬲るシーンで、老婆が手マンするなど非常にエロが象徴的に用いられる。全裸にされた女生徒が、都会では理解できない土着的な奇術にさらされ、狂気に堕ちていく様はどことなく食人映画『グリーン・インフェルノ』を髣髴させた。

 現在、既刊は2巻となっている。1巻の終わりで、女生徒たちが軒並みレイプされたような描写で終わっているが、その後は2巻でも描写がなかった。一方、2巻では島民とは別の学生同士でのサバイバル、ないしは欲望の爆発が起こりかけるところで終わっている。

 無秩序だと人間がどうなるのか、極限状態にさらされた人間はどうなるのか、『インゴシマ』を読んでいると憂鬱になってしまう。しかし、読む手が止まらないのはこの作品が大いに魅力的だからなのであろう。
(文=Leoneko)

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インゴシマ (1)【DMM限定特別版】
筆者:田中克樹 天下雌子
出版社:DeNA

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