出版業界の新たな希望「ネットで書籍の全文検索」が可能になれば、売上は伸びるのか?

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 文化庁は、来年に施行される著作権法の改正により、著作権者の許諾なしに書籍の全文を電子データ化し、ネットで検索できるサービスを構築する方針を固めている。

 書籍の売り上げに配慮して、閲覧できる内容はキーワードの前後数行に限られるが、これは出版業界に大きな変化をもたらす可能性もある。

 この書籍の全文検索は、すでに2004年からGoogleが開始している。日本では07年から「Googleブック検索」として始まったが、Googleが品切れ・重版未定の本を絶版扱いにしていたことから出版社や権利者団体が反発を示し、大きな話題となった。

 その後、日本では長らく話題としては消えていたが、アメリカでは「大規模な著作権侵害」とする作家団体との訴訟が、16年にGoogleの勝利で終焉。アメリカ最高裁では書籍の全文検索は、「フェアユース(公正利用)」と判断したのだ。

 これを受けて、日本でも著作権法の改正が目論まれることとなった。

 Googleの有無を言わさず全文のデータ化と検索を可能にしようとする動きは、大きな反発を生んだ。だが、そうした問題も、今となっては実質的に解決済みといえる。

 むしろ、キーワードで検索して、欲っする情報がある本を見つけた読者が、すぐに注文できるシステムは整っている。全文をタダ読みされる恐れは消え、著者や出版社にとってはビジネスチャンスが始まっているといえるわけだ。

「読者が知りたい情報が掲載されている本を見つけて、すぐにオンライン書店で注文できるようになれば便利この上ない。また、すぐに読みたい人は電子書籍で買うようになるから、電子書籍市場も今以上に活発化するのではないかと期待しています」(出版社社員)

 紙の本の売り上げは大きく落ち込み、一方、電子書籍市場も伸びているとはいえ、紙の落ち込みをカバーするには至っていない時代はしばらく続いてきた。

 この書籍全文検索の登場で、状況は一変し、出版業界が再び浮上することになるのか?
(文=特別取材班)

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