――「ことだま屋本舗EXステージ」は新たな可能性を感じるエンターテイメントとなりそうですが、ぜひとも取り上げたい作品とかはあるのですか。
鈴木:たくさんありますが、一つ挙げるとするならば…演劇関連ということで『マチネとソワレ』ですかね。舞台演劇をテーマにしたマンガなんですよ。こういう作品には挑戦してみたいですね。
他には『アウターゾーン』とか。すごくこの作品が大好きなんですよ。ぼく自身もやるなら出演したいくらいです。
――すでにアニメ化されている作品などはいかがでしょうか。
鈴木:出版社、原作者の皆さんとの調整次第ではやれなくはないと考えています。レジェンドクラスのマンガにはいつか挑戦してみたいですね。ただし、アニメ版とのバランスがあるので配役をどうするかなど、かなり悩みそうですが(笑)
――ライトノベルは扱わないのですか。
鈴木:ライトノベルも朗読劇スタイルであれば、やれなくはないと考えています。シーンに合ったもの、例えば森や自然、町の様子をスクリーンに動かしたり、挿絵を描き下ろしてもらったりしてもいいかもしれませんね。
――こうしてお話していると、現在の鈴木さんはビジネスマンとして、プロデューサーとしての一面のほうが大きくなっている感じがするのですが、実際、役者としての自分、ビジネスマンとしての自分の使い分け上手くいっているのでしょうか。
鈴木:プロデューサーとして、役者としての自分は同居できてはいます。とはいえジレンマもあって、葛藤することも本当に多いです(笑) そもそも根が役者なので、やっぱり演じることだけに集中したいと思うことはあるんですよ。
でも、ぼくは人との縁をつなげていくのが大好きなんです。人を楽しませ、驚かせることも大好きです。だから、自分が「出演してみたい」と思える企画を生み出していくことも同時に楽しいし、業界を盛り上げていきたい。その感覚を大切にしています。
――ここ数年の声優人気の過熱ぶりは一大ムーブメントだったかと思います。プロデューサーと役者の両方の目を持つ立場からして、業界の動きをどう感じられていましたか。
鈴木:声優が様々なところで活躍できるのは、ファンの皆様のおかげなのはまちがいありません。グッズを買ってくれたり、ライブに足を運んでいただいたりすることで、声優が重宝されるようになったことは本当にありがたいことなのだと思います。
ただ、ぼく自身、もともと声優志望でキャリアをスタートさせたわけではないので客観視できていると思うのですが、若い世代の声優の個性は、言い方は難しいですが、濃度が薄まったと感じています。同時にキャラクターの個性の差が分かりづらくなっていますね。
ビジネスである以上、外見の良いタレント、人気のあるタレントが前に出られるのは当然なので、そこに加えて実力が申し分なければ最高なのですが……。もっと中堅、ベテランを生かしていかなければ世界に誇る声優文化がどうなってしまうか、時々不安になりますね。
――御社の企画に出演される声優は実力のある方たちばかりですよね。
鈴木:はい。いまの声優アイドル化のブームはいつまでも続くものでもないと思っていますので、実力派の声優の皆さんが活躍する場を我々でも作っていければと考えています。
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