女子高生同士がキスをしまくる『百合な私と悪魔な彼女（？）』 女体化を止めるにはエッチなキスをし続けなくちゃいけない!?

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『魔法少女 俺』公式サイトより。

「NLなのか、BLなのか、百合なのか、もうわけがわからない！」と話題のTVアニメ『魔法少女 俺』（TOKYO MX）。主人公の卯野さき（女）は、魔法少女に変身すると屈強な魔法少女オレ（男）になってしまう。さき自身は幼なじみの御翔桃拾（男）が好きだが、桃拾は魔法少女オレを慕っている模様。桃拾の妹でさきの相方である桜世（女）はさきのことが「性的な意味で好き」だし、さきの恋のライバル・兵衛は男だし……とにかく、相関図が複雑なことになっている。

　BLや百合だけでなく、男体化や女装（というか魔法少女モノ）といった要素も取り込んでいるので、ネットには「混乱してだんだんどうでも良くなってくる」「もう訳わからない」「非常に困惑している」といった声が上がっている。

　いろんな要素を入れ込むと、なかなかカオスな状態になりがち。『魔法少女 俺』は“そういう芸風”なところもあるが……。

　前置きが長くなってしまったが、『魔法少女 俺』に負けないくらい、さまざまな要素を盛り込んだ作品を紹介したい。もこやま仁の『百合な私と悪魔な彼女 （？）』（KADOKAWA）だ。本作も「男の娘」「女体化」「NL」「百合」と、さまざまな要素を取り入れている。

『百合な私と悪魔な彼女 （？）』第1巻

　ヒロインの野々山やしろは、男性恐怖症な高校1年生。どれくらい男性恐怖症かというと、男子と背中でぶつかってしまっただけで失神してしまうレベル。男性は苦手なやしろの初恋＆ファーストキスの相手は、もちろん女の子。幼い時に男子からのいじめから救ってくれた、名も知らぬ女の子に今も想いを抱いていた。

　そんな時に転校してきた美少女・西園寺みこと。予想通り、このみことこそ、やしろの初恋の子。みことは再び男子からやしろを救ってくれ、そして、再会のキスをする。幼い時とは違う、エッチなキスをするのだが――みことの股間に異物感が。そう、みことは男の子だったのだ。

　しかもかなり複雑な事情で、みことは、少しずつ女性化してしまうという特異な体質を持っている家系の生まれ。ファーストキスの相手であるやしろが、男性ホルモンがたくさん分泌されるような性的なキスを毎日しないと、完全に女性化してしまうというのだ。

　みことの女性化を止めるために、みことと毎日キスをする関係になってしまったやしろ。みことは、見た目は完全に女の子だが、中身は男性なので、百合勢のやしろは困惑。でも、みことは超絶可愛いし、初恋フィルターがかかっている影響で戸惑いながらも毎日キスをしていく。

　最近流行りの“キスフレ”のように聞こえるが、2人がしているキスはそんな生半可なものではない。頬を赤らめながら、舌を絡め合わせるという、ガチでエロいキスなのだ。女子高生がキスをし合っている絵面は眼福。さらには、クラスメイト・四ノ宮エリスにキス現場を目撃されて、その子も2人のキスに巻き込まれていくという、百合勢垂涎モノの内容となっている。

　しかし、よくよく考えたらみことは男（というが男の娘）。百合なのか、NLなのか混乱するが、うまいことに物語は破綻していない。百合勢的にはみことは女性化すればいいのに、と思うのだが、みことは何が何でも男に戻りたいよう。すでに物語は完結（全2巻）しているが、最後まで展開が読めない作品となっている。

　個人的に「可愛い」のが、2人のキスに巻き込まれてしまったエリス。帰国子女のエリスは、みことに「日本じゃ、仲の良い女の子はスキンシップでキスをする」と丸め込まれ、「友達とキスをするのは当たり前」と本気で信じてしまう。そんなエリスはやしろに心を開き、ちょくちょくキスをする関係に。この2人もなぜかエッチなキスをするのだが、それがまたエロ可愛いくて、微笑ましいのだ。
（文＝月島カゴメ）

【ダウンロードはこちらから！】

『百合な私と悪魔な彼女 （？）』第1巻
ページ数：195ページ
筆者：もこやま仁
出版社：KADOKAWA

『百合な私と悪魔な彼女 （？）』第2巻 （最終巻）
ページ数：199ページ
筆者：もこやま仁
出版社：KADOKAWA