『HENTAI 』(うめ丸・快紗瑠)徹底的にグロテスクでゴア!王道B級ホラーのムフフなサービスショットもちょこちょこあり!!

 良質なB級ホラーを生み続けているエブリスタから新たなホラーマンガが誕生した。『HENTAI』である。

 『HENTAI』とはなかなか挑発的なタイトルであるが、一体どんな内容なのか。アルファベットでhentaiが意味するものは、日本の二次元を中心にしたエロコンテンツの日本語源の単語である。『HENTAI』の表紙には蜘蛛を手にした美少女が描かれているが……。

 以下が公式の紹介文だ。

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 オカルト雑誌の新人記者・夏樹優子は取材で訪れた「呪いのマンション」で少女の霊を見る。

 マンションに足を踏み入れた人間を次々に虐殺する少女の霊・愛子。まるでクモの巣のように張り巡らされた呪いの中で、人間の死を糧に愛子は成長を続ける。呪われた優子に生き残るすべはあるのか!?

 恐怖と残酷さに彩られた少女の呪い!!
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 エブリスタのみならず、WEB小説を原作とした作品はどうしても設定のツメや甘さが悪目立ちすることがあるのだが、今作も話を読み進むにつれ「おいおい」と突っ込みを入れたくなる展開が連続される。入居者が必ず死ぬマンションという設定の時点で色々と突っ込みどころはあるが、あっさりと登場したかと思うと無邪気に虐殺しまくる愛子や、実は編集長がすさまじい霊能者だったとか、医者が患者の個人情報をペラペラとしゃべりまくったりと、場当たり的な描写が多い。

 しかし、ある意味これは『HENTAI』という作品の個性ともいえる。

 うめ丸氏の絵は躍動感があり、その瞬間瞬間の情景が視覚的によく伝わるし、内臓が飛び散るなどのグロテスクな描写も、良い意味で不快に描ききっている。女性キャラも非常に魅力的だし、肌はムチムチでどこかいやらしい。シャワーシーンや、谷間ポロリなどサービスショットもしっかり練り込まれている。悪霊・愛子は極めて残酷だが、何もしていないときはかわいさすら覚える。

 強引なまでの物語展開と、派手な惨殺描写の連続であるが、B級ホラーに求めるものは、完璧なシナリオなんかではない。派手さやグロさである。そういった点からすると、『HENTAI』は満点だ。

 とにかく人の死に方がグロテスクだ。腕や首がねじれ飛ぶのは当たり前。体操選手でいうところのG難度技の連続だ。内臓は腹からこぼれ落ちて当然。体内の血は全て飛び散るのがデフォルト。ゴアすぎて親指で紙面をこすったら黒くなりそうなほどである。

 愛子の残酷さには目を覆いたくなるが、子供というのは残酷なものである。幼い頃、誰しも虫などを無残に殺した経験はないだろうか。あの無邪気さで愛子は人を殺しているのかもしれない。

 1巻では『HENTAI』というタイトルの意味や、示唆されるにとどまった悪霊・愛子と主人公・夏樹優子の関係性の謎は解明されない。2巻では、主要キャラクターが犠牲になるのか。『HENTAI』というタイトルにふさわしいムフフなサービスショットは増えるのか。続巻に期待だ。
(文=Leoneko)

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HENTAI 1
掲載誌/レーベル:eヤングマガジン
筆者:うめ丸/快紗瑠
出版社:講談社

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