※ネタバレ注意

『ウォーキング・デッド 』シーズン8第5話 神の勇気を与えられたゲイブリエルの強さとニーガンの持つ人間臭い一面…。ニーガンは悪党なのか!?

 ウォーキング・デッドのシーズン8第5話が放送された。

 今話は第1話のラストでニーガンとふたりきりになり死亡フラグが立ちまくりのゲイブリエル中心の回であった。

 まず冒頭、リックたちの急襲作戦でテナント小屋に閉じ込められて絶体絶命となっているニーガンとゲイブリエル。第1話のラストでは、ニーガンのセリフからゲイブリエルがむごたらしく殺されるだろうと示唆されていたものの、そんなことはない様子。もちろん少々の脅しをかけるものの、ニーガンの「人は資源」「殺しは必要最低限」の信条はここでも発揮。ゲイブリエルの銃を奪うことだけで終わる。

 ゲイブリエルは初期こそは弱者であったものの、いつからか覚醒し、見違えるほど強者になっていた。彼は絶対絶命の状況でありながら、聖職者らしくニーガンに懺悔を求め始める。最初はニーガンも無視していたが、やがて心が折れて懺悔をする。それは最初の妻・ルシールの話であった。

 ニーガンはゲイブリエルの度胸が気に入ったのか、一緒にここを脱出しようと持ち掛ける。ウォーカーのはらわたを体に塗りたくって外に出ようというのだ。ゲイブリエルは懺悔をしたニーガンの言葉を了承する。この際、ゲイブリエルに銃を所持することを認めるところに、ニーガンがゲイブリエルに対して特別な感情が芽生えたように思えた。ゲイブリエルは銃を与えられたのだから、ニーガンを殺す絶好のチャンスを得たことになる。しかし撃たない。

 この間、ニーガン不在の聖域ではドワイトやサイモン、ユージーンなどの幹部たちがどうすべきが会議をしていた。この時点では、ニーガンが生きているのかどうか、彼らには分からない。もし死んでいるのであれば、誰かがニーガンの代わりにならなければいけない。サイモンがその役を買って出るものの、やはりニーガンほどのカリスマ性がなく、意見がまとまらない。それどころか、今回の急襲が、誰か内部の裏切りから端を発しているのではないかと、お互いが疑心暗鬼になる始末だ。

 一方、武器を奪取することに成功していたリックとダリルたちだが、奪った武器をどうするかでもめ始めてしまう。

 この武器で聖域にいる労働者たちを巻き込んで一掃するか、労働者たちは巻き込まないようにするか、というこでもめてしまったのだ。ダリルの考えが前者で、リックは後者。なぜか土壇場で、謎の不殺精神を掲げ始めてしまうのがリック側の弱点なのだが、今話ではまさかのリックがその不殺精神に憑りつかれてしまったようだ。

 第3話のモラレスとの一件以降、ややギクシャクしていたふたりだったので、この展開はある程度予想がついたことだろう。ついには殴り合いにまで発展し、ダリルがリックに豪快なスリーパーホールドで締め堕とそうとするその瞬間、車から漏れたガソリンが引火。大爆発を起こし、せっかくの武器が木っ端みじんになってしまう。キングダムグループがほぼ全滅するという犠牲を払ったにも関わらず。

 武器を失ってしまったことで、我に返ったふたりは作戦行動に戻る。しかし、リックの車がガス欠で動かなくなる。次なる目的地までリックは歩くことになった。

 再び聖域に場面は戻る。

 聖域では相も変わらず会議中の幹部のもとに、労働者たちがつめより始める。というのも、ウォーカーたちに囲まれたことで、食料や電気などを節約しなければならなくなり、聖域内の一部への送電をストップしていたので、そのしわよせが労働者の居住区にいってしまったのだ。環境をもとに戻せとつめよる労働者たちに、つい最近まで名前もセリフもなかった唯一の女性幹部・レジーナが発砲し、強引に事を収めようとした。

 そのときだ。

 あの聞き覚えのある口笛が聞こえたかと思うと、ニーガンがゲイブリエルを従えて、現れてその場を一瞬んで収めてみせた。ここは、ニーガンは悪者として描かれてはいるものの、彼なりのカリスマ性とリーダーシップと正義を貫くことで、集団をまとめているのだということがよく分かるシーンであった。ゲイブリエルもニーガンのカリスマ性にやや驚いた様子だった。役者という意味では、エゼキエル王と格が全く異なる。

 その後、ニーガンを交えて幹部会議が開かれる。なぜリックたちの急襲を許すような事態になったのか。話し合うと、やはり聖域の中に謀反を起こした人物がいるにちがいないという結論に至る。そしてひょんなことから、ユージーンがその人物がドワイトではないか、と気づき始める。

 しかし、その場ですぐにそのことを提言するほどユージーンはバカではない。会議終了後、ユージーンはゲイブリエルのもとに差し入れを持って訪れる。ゲイブリエルは、これまにでドワイトやサシャが閉じ込められていた牢屋に入れられていたのだ。扉を開けると、ゲイブリエルは瀕死状態だった。すぐに医者を呼ぶと言うユージーンに対し、ゲイブリエルはその医者はもともとヒルトップの人員であり、マギーの主治医であること、彼をヒルトップへ連れ戻すと、いまにも死にそうな声で伝えるのであった。

 本編はここで終わる。

 気になるのは、ゲイブリエルの症状だ。過去を振り返ると、あの症状は、間違いなくウォーカーに噛まれた際に発症するものだ。テナント小屋からニーガンと脱出する際、かなり無理をして突破している様子が描かれていたので、噛まれていても不思議ではない。

 それと、ダリルと別れて単独行動を取ったリックだ。リックがひとり歩いていると、上空にヘリコプターが飛ぶ。それを見てリックが驚くのだが、観ているこっちもビックリである。これまでヘリコプターなんてものは一度も登場することがなかった。少なくとも飛んでいる状態では。

 これはひょっとすると、『ウォーキング・デッド』の前日譚である『フィアー・ザ・ウォーキング・デッド』とのクロスオーバーにつながるのかもしれない。また、少しだけジェイディス率いる「清掃人」グループのような人がリックの姿を捉えている様子も描写される。リックは「清掃人」たちを訪れているのだろうか。いまだ作戦の全容が見えてこない。

 物語の進展としては、今話も大きくブレーキが踏まれたままだった。しかし、ニーガンの懺悔や、彼は単純な悪党というわけではなく、彼なりの信念と信条を持って行動しており、必要あらば役者となり、実際は泥臭さも持ち合わせた人間だということを浮き彫りにする回であった。この回を観て、ニーガンを嫌いになれなくなった視聴者は多かったのではないだろうか。もちろんこの程度ではグレンを殺した罪が当然消えるわけではないが。

 そして、次話以降、聖域内での裏切り者探しが始まるはずだ。それにともない、ユージーンはドワイトの裏切りをどこで告発するのか。それともしないのか。ユージーンはリックたちのもとに戻らないのか。物語が新たな展開を迎えそうだ。
(文=Leoneko)

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