エロマンガではその特性上、ストレートな恋愛・純愛を描く作品がどうしても少なくなりがちだ。しかし、柴崎ショージの『とくべつな毎日』(茜新社)は全編純愛の、正真正銘のピュアなラブストーリーである。
第1話の母性本能が強い母のような彼女との物語は、彼女がしっかり者であるがために甘えベタであることがもどかしく、だけどセックスのときに解放される大胆さに心が温まる。
第2話の彼氏の髪の毛を教室で切ってあげる彼女との物語はラストのオチで、彼女の純粋さに胸がキュンとする。
第3話のフェ×チオを拒否していた彼女との関係が一歩すすむ物語は、彼女のツンツンデレデレぶりに心がくすぐられ、JKの彼氏トークはこういうものなのかなというリアルさを感じさせる。
第4話の優等生の黒髪ロング彼女との物語は、普段の真面目な彼女が、彼氏とエッチの際には乱れてしまうギャップに喜びを覚えられる。
第5話のJKと家庭教師との禁断の愛の物語は、大人の男性に最初は怯えながらも少しずつ心惹かれ、恋していく健気さを感じさせる。
第6話の先輩と後輩との物語は、進路でバラバラになることへの不安と葛藤が感じられ、でもそこに彼氏の優しさと絶対的な安心感を覚えさせ、心がほっこりする。
最終話の幼なじみの物語は、高校卒業を目前にし、新たなスタートをふたりで切ることで、幼なじみの恋人というステージから先へ進む、若者の勇気を感じることができる。
全話に共通していえるのは、徹底的に彼氏は彼女が好きで、彼女は彼氏に献身的なことだ。そこに一切に迷いはなく、エッチはエロマンガである以上、実用性にすぐれた描写があるものの、どちらかというと短編の恋愛学園ものに、きっちりエロシーンが挿し込まれているといったほうが正しいだろう。
なんと言ってもこの『とくべつな毎日』の謳い文句は「平凡で、かけがえのない青春」、そして「セックスって、あったかい。愛しい人がそこにいて、ひたすらに、ひたむきに与え合う。大人じゃなくても、その行為の豊かさは、本能で知っているから」だ。高校生たちがセックスを通じて青春をし、恋人の大切さを学んでいるのだ。
エロゲーでも純愛ゲーが好きという方にはピッタリの作品だ。短編である以上、萌え要素も必要最低限なので、物語自体がスッと心に沁み込んでくる。ぜひともオススメの一冊だ。
(文=Leoneko)
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