『はじめの一歩』が「少年ジャンプ病」になったワケ……「終了タイミング」逸した“社会的”理由

 「週刊少年マガジン」(講談社)で連載中の人気ボクシング漫画『はじめの一歩』の急展開に、大きな衝撃が走っている。

 22日発売の同誌では、フェザー級フィリピン王者アントニオ・ゲバラと戦っていた一歩。追い詰められた状況で最終手段であるデンプシーロールの新型を繰り出すが交わされ、カウンターパンチを喰らい一歩は倒れる。そして試合終了、という流れだ。

 これで、前の試合の世界ランク2位アルフレド・ゴンザレス戦の敗戦に続いて2連敗。しかも相手はこれまでの同作では「モブ」のような雰囲気のキャラクターであり、その結果が敗戦ということで、より衝撃は大きなものとなってしまっている。

 一歩が「パンチドランカー」の症状を起こしているという疑惑、さらには試合中に本人からその症状を示唆する心の声も出ている点などから、ファンの間では「バッドエンド説」も多く飛び交っている状況だ。

 また、それと同時に囁かれるのが「あの時に終わらせておけばよかったのに」という声だ。

「ここ数年は完全なるマンネリ、ネタ切れの指摘は多かったんですが、読者にとっては最悪の形で終わりを迎える可能性が大きいです。実際のところ、『一歩VS宮田』がいよいよ実現しそうだった60~70巻周辺で終わらせておくべきだったのではないか、という意見も多々あります。連載の大団円としてはちょうどよかったはずであると……。結局新たなライバル登場で試合は実現せず。迷走が明確にはじまったのはこの時期といえるでしょう。

 その後は明らかに一歩が強くなっているにもかかわらず、東南アジアのチャンピオンに毎回苦戦するなど読者としても納得のいかない描写や、現実ではあり得ない技なども多く登場するなどして不評を買っていました。そして終いにはパンチドランカーに2連敗……もう希望を抱くことができません」(記者)

 終わらせるチャンス、節目はいくらでもあったはず。特に、キャラクターの能力がインフレを起こし物語が破綻するというのはバトル漫画、とりわけ「週刊少年ジャンプ」(集英社)で多かったパターンだが、『一歩』も同じ展開に陥ったということか。

 ただ「マガジン」でこうした漫画は非常に稀。なぜ『一歩』がこの「ジャンプ病」にかかってしまったのか……。

「『マガジン』は昨年、発行部数が100万部を割るというニュースが出たように苦境に立たされています。全盛期を考えれば雲泥の差といえるでしょう。そんな中、連載期間30年近く、コミックスの累計発行部数が1億も夢ではないとされる同作を終了させるわけにはいかない『台所事情』もあるのではないでしょうか。『ジャンプ』ほどあからさまな人気至上主義ではないですが、『マガジン』もビジネスであることに変わりはないですからね。出版、雑誌の不況が叫ばれて久しいですが、『一歩』とその作品、作者もまた、そうした社会情勢の犠牲者といえるのかもしれません」(同)

 行き場を失った名作の結末は……? 読者が納得できるものであってほしいものだが。

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