【劇場アニメレビュー】設定の変更で先が読めない展開が功を奏す?『宇宙戦艦ヤマト』シリーズ最新作レビュー

 特に今回は古代とヒロイン森雪の愛の行方を示唆する大きなエピソードも加えられていて、これも冷静に考えるとかなりご都合主義的ではあるのだが、ヤマト・シリーズならではの「大いなる愛」を目の当たりにさせられると照れ臭くもひれ伏するしかない心情に陥ってしまうのも確かで、おそらく今回が『2202』の評価の賛否を大きく分ける作品になっているような気もしてならない。

 が、ここまであれこれ記しつつ、私自身はそんなこともこんなこともどうでもよく、実はこの『2202』に期待していることはただひとつ、『さらば』では二代目ヤマト艦長、『2』ではアンドロメダ艦長として登場した土方竜が今回どちらの設定になるのか? という興味だけであった。

 初代艦長・沖田十三とは長年の親友であり、『さらば』ではガトランティスとの戦いで一度敗北し、それを恥じとしながらもあえてヤマト艦長に就任して、親友に代わって若者たちを指揮し、漢(おとこ)としての責任をまっとうしようとする土方の勇姿を、ぜひとも今回再びお目にかかりたかったのだが(少なくとも『2』のような設定だったら、もうシリーズ自体見ないつもりだった!)、今回ついに彼は一時的にではあるが艦長席に座り、「沖田、(ヤマトを)借りるぞ」の名セリフを吐き、ヤマトを指揮する、その瞬間のカタルシスたるや!

 もっとも、実はこの章でもまだ正式に彼が二代目艦長になったかどうかは明らかにされてないのだが、今のところ若輩の身で艦長代理としての立場に苦しむ古代の良き後見人としてのスタンスが確立されたようなので、これをもって良しとしたい。

 あとはもう最終章でヤマトが特攻してシリーズを終えるのか? それとも生還してシリーズを続行させるのか?

 とりあえず次回『第四章 天命篇』(18年1月27日上映予定)では、いよいよデスラー総統が復活し、ヤマトを襲う! 彼の行く末も『さらば』と『2』では大きく異なっていただけに、今度はどうなるのか興味津々なのであった。
(文=増當竜也)

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