『魔女宅』キキはなぜ17歳のJKに?カップヌードルが青春アニメCMを作る理由とは

1708_cup02.jpg甘酸っぱいCM中の1カット

――いろいろ候補があった上で、一番驚きがあって、なおかつ無理がなく、おもしろそうという企画を選んだら、『魔女宅』に落ち着かれたと。

岡崎 今回のCMは、原作小説の第4巻『魔女の宅急便 キキの恋』(著者:角野栄子)をベースにしているのですが、舞台を現代に置き換えても魅力が通じる普遍性が、『魔女の宅急便』を選んだ一番大きな決め手になりました。人気があって知名度が高ければいいというわけではなく、「この物語だったら、我々が伝えたいメッセージを届けられる」という要素が、原作小説『魔女の宅急便』の中にあったからなんです。

――原作小説ではキキのその後を、かなり先まで描いてますものね。

岡崎 そうですね。ただ、今回のCMは原作にもない設定で新たなストーリーを描いていますので、原作者である角野栄子さんに確認しながら制作を進めていきました。

――CM動画を公開後の反応はいかがでしたか?

岡崎 完全に予想以上でした。Yahoo!ニュースのトップにも掲載していただいたり、YouTubeの「急上昇」動画で1位になったり、「ここに掲載してもらいたい」という主要なニュースサイトにもほとんど取り上げていただけました。。動画の再生数も600万回を超えて、ここ数年の日清食品のCMのなかでも最高レベルの話題になりました。

――ポジティブ、ネガティブ、どっちの反応が多いんですか?

岡崎 放送開始当初は、スタジオジブリさんの作品と比較された上でのご意見やご指摘が、それなりにあったことは事実ですが、7月のCM好感度ランキングでも食品業類で1位になるなど、結果的には圧倒的にポジティブな反応のほうが多かったです。もっと長尺で見てみたかった、あるいは実写化してほしいといった声もありますし、「このCMの続きはいつ公開されるんですか?」といったお問い合わせもいただきました。

――カップヌードルの歴代CMには、インパクトの強いものが多かったですけど、それらと比べても遜色のない反応だったと。

岡崎 そうですね。特にアニメはSNS上での拡散力がありますし、Twitterなどで広がったものをWebメディアの皆さんがさらに取り上げていただけので、話題が話題を呼ぶという形になったんだと思います。

 私はカップヌードルのSNSの公式アカウントも担当しているんですが、思いもよらなかった投稿が注目されて拡散し、Webメディアさんに取り上げてもらえただけでなく、さらに転載されてLINEニュースのダイジェストやYahoo!ニュースに掲載されることもあり、「この投稿がこんなに話題になったの?」と驚くことも結構あります。

――我々も、「なんでこの記事がPV多いんだ、こっちの記事のほうが出来はいいのに」ということは結構あります(笑)。

岡崎 ネットメディア系の現場はどこも同じなんですね(笑)。

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「チャレンジであることを理解した上でスタートした企画ですから」

――企画立案から公開までにどれくらいの時間がかかったものですか?

岡崎 およそ3カ月ぐらいです。アニメでCMを作った経験が少なかったもんですから、実写でCMを作る感覚でスケジュールを相談したところ、普通なら1年ぐらいかかります、と。しかし、そこ何とか3カ月でやっていただいたんです。

――動画枚数ももちろんですが、アングルや美術もかなり凝っていますよね。

岡崎 制作に携わっていただいた方々には、「30秒の映画を作るつもりで」というお話をさせていただきました。細部にまでこだわりが詰まった作品になっていると思います。

 今回の企画が決まってから、最初はクリエイティブディレクターの佐藤(雄介)さんが考えたアイデアとプロットをもとに、監督の柳沢(翔)さんや制作を担当していただくスタッフさん方の意見も踏まえて、演出コンテの作成に着手しました。

 あわせて、窪之内英作先生にキャラクターのデザインを描いていただく作業を同時進行していきました。その後、演出コンテをもとにビデオコンテを制作して、30秒の中にどのカットをどれぐらいの長さで入れていくのかを当てはめていって。作品の全体像が見えてきたところで、ようやく原画の作画に入っていただき、尺を適時調整しながら、着彩、最終MA、さらに微調整するといった具合に進行していったんです。

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