ブーム到来中、『もし文豪たちがカップ焼きそばの作り方を書いたら』著者インタビュー!

“文豪”をテーマとしたゲームやマンガ、アニメも追い風に!

――6月の発売から1カ月ほどが経過しました。ネット書店のランキングではずっと上位にいますし、いろんなメディアでも取り上げられています。こんなに反響がくると思っていましたか?

神田 全然思ってないです(笑)。

菊池 思ってないです。そもそも、最初に宝島社と話したとき、初版が2万部と聞いてすごく驚きましたから。

――このご時勢に2万! いい話ですねぇ。

菊池 僕も5000部ぐらいかなと思っていて。

神田 2万って言われて驚きましたけど、おかげさまで増刷もかかったようでして。今、7万部です。

――Twitterなどでも感想が寄せられたと思いますが、どんな反応が多かったですか?

神田 好意的な感想を寄せてくれることが多くて、「炎上怖い」とビクビクしていましたが、杞憂に終わって良かったなと(笑)。

――好意的な感想を寄せてくれた読者というのは、どんな層が多かったですか?

菊池 SNSでコメントを寄せてくれた人のプロフィールを見ると、基本的にはやっぱり本好き、読書好きという人が多かったですね。

――やっぱりそうですよね、全体の7~8割はわからないと楽しめないでしょうからね。

神田 自分たちが好き、書けそうという観点で人選をマニアックにやってしまったので、そこまで売れると思わなかったんですよね。けど、一部でもなにかが引っかかったら、みんな結構買ってくれるというのがわかったというか。

菊池 あと意外に多かったのが、ソーシャルゲームの『文豪とアルケミスト』(DMM)、マンガの『文豪失格』(実業之日本社)のファン、という方ですね。

――なるほど、文豪をモチーフにした作品が最近増えましたよね、アニメ化もされたマンガの『文豪ストレイドッグス』(KADOKAWA)もありますし。

菊池 流行っていますよね。『文豪ストレイドッグス』ファンの人もよくリツイートしてくれました。

神田 そういうのがあるから、若い人でも意外と文豪の名前を知っているのか……。キャラクターとして知っているんですね。

菊池 そういった波にうまく乗れたのかな、と感じています。全然意図していなかった反応で、ゲームやマンガから入った人が読んでくれるというのは考えていませんでしたから。

神田 そうですね。本をよく読む、サブカル好きな人というのがメインターゲットだと思っていました。

菊池 「ヴィレッジヴァンガード」は置いてくれるだろうなぐらいにしか思っていなかったですよね(笑)。

神田 あと、帯にクリープハイプの尾崎(世界観)くんがコメントを寄せてくれた影響も大きいと思います。あの帯があったから、10代のファンが手に取ってくれたのかもしれないですね。

――ちなみに文体を模写された方から、お叱りの声はなかったものですか?

神田 あ、今のところはないです(笑)。水道橋博士さんなんかは、本の話題をリツイートしてくれたりもしていて、意外といろんな人がおもしろがってくれていると思います。

「爪あとを残すことができたかなと」(神田)

――文体模写はネットが普及する前からある文化で、一部の本好きが面白がっていたことだと思うんですけど、今回それが一冊の本になってヒットしたことに対してどんな手応えを感じていらっしゃいますか?

神田 自分が本や雑誌に影響を受けて育ってきましたから、「本」を使ってくだらなくて面白いものを提示したかったという野望がまずありまして。その手段として文体模写ですね、これなら笑わせられるんじゃないかと。今回は読んでくれたみんなが笑った笑ったといってくれるので、すごく手応えを感じています。

菊池 僕も神田さんと一緒で、面白いことを活字でしたいなとずっと思っていましたから。ブログもそういったことを書いたりしていましたが、本・雑誌好きな過去の自分が、この本を読んだら「この手があったか」と悔しがったんじゃないかな。そう思える1冊になったと思います。

神田 爪あとを残すことができたかなと。この本を読んで第二第三の僕らみたいな人が出てきて欲しいなって思いますね。

菊池 ああ、それいいですね。便乗本を歓迎します(笑)。

――自分は最初に菊池さんのツイートが話題になったので、そういったネットの声に影響を受けて作られた本といったイメージを持っていたんですよ、今日取材をさせていただくまで。ところが、企画を成立させるために試行錯誤していたら、たまたまこの形になっただけで、実は最初から紙媒体、単行本でおもしろいことをやるという1冊だったんですね。

神田 そうなんですよ。Togetterでまとめられた「もしも○○がカップ焼きそばの作り方を書いたら」が有名になったので、そう思い込んでいる人も多いようです。いちいち訂正するのも手間なので放置していますけど(笑)。

――あくまで面白い単行本を作るための手段ということですよね。さて、ここまで好評だと、第2弾を期待する声もあると思いますが?

菊池 ちょっと今、考えてはいるところではある、という感じですね。

神田 第2弾に着手するのかどうか、するとしたらモチーフをどんどん変えていくのか、それとも「カップ焼きそばの作り方」以外のシチュエーションとするのか……もろもろ考えないといけないなと思っているところですね。

――続報を楽しみにしています。ありがとうございました!

(文=編集部)

●『もし文豪たちがカップ焼きそばの作り方を書いたら』
著者:神田桂一/菊池 良
価格:本体980円+税
判型:四六判
ページ数:190P
ISBN:978-4-8002-7110-5

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