ブーム到来中、『もし文豪たちがカップ焼きそばの作り方を書いたら』著者インタビュー!

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菊池氏のTiwtterより

「滑った上に炎上でもしたら……もうライター生命が終わるなと」(神田)

――その後はどんな段階を経て制作作業は進んだんですか?

神田 1シチュエーションで文体が100人分という企画書を持っていったところ、速攻で通ってすぐに取りかかってくれ、となりました。ただ、発行予定の枠が空いているのは6月しかない、1カ月で書き下ろしてくれと(笑)。

菊池 担当さんには2人で50人ずつ分ければ、1日2人だからいけるよねって言われて(笑)。

――年間の発行予定がしっかり決まっていたんでしょうね。しかし、1カ月で100人は厳しそうです。

菊池 僕は、最初は数字のマジックにかかって、1日2本ならいけるかなと一瞬思ったんですけどね(笑)。

神田 僕はフリーライターですが、レギュラーのほかの仕事もありますから。正直厳しかったです(笑)。

菊池 僕は兼業ライターですから。毎日、仕事が終わってからがんばりました。

――似せるためにはオリジナルを調べる必要もあるでしょうから、大変そうです。

神田 僕は炎上が怖かったですね。この企画、クオリティーが低くて笑ってもらえなかったら、もう最悪じゃないですか。

菊池 本当にそうですよね。

神田 滑った上に炎上でもしたら……もうライター生命が終わるなと。本当にそれが怖かったですね。

――ちなみにこの100人はどう決められたんですか? 好きな書き手さんがカブったりはしませんでしたか?

神田 これがまったく取り合ってないんですよ。最初に菊池くんが50人を出してくれたんですが、近現代作家、文豪系が多かったんですよね。僕はそれを見て50人の名前を出したんです、現代作家や評論家系、ミュージシャンとか。

――それでバランスがとれているんですね。お互いが選んだモチーフで、これはいい人選と感心したものはありますか?

神田 僕はやっぱり、坂本龍一と村上龍の対談ですね。

菊池 80年代の書き手さんが好きで、よく読んでいたんです。村上龍は対談本が何冊もありますが、村上龍×坂本龍一の対談もありまして(『EV.Cafe 超進化論』/講談社)。それをベースにしました。当時のニュー・アカ的な言葉遣いや文体が好きだったので、それをそのまま使っています。

 やっぱり、基本的には好きな方はすんなりいきましたね。逆に難しかったのは、神田さんはアレじゃないですか。

神田 トマス・ピンチョン(笑)。トマス・ピンチョンは最後まで残っていましたね。

菊池 やっぱり、より好きな書き手から手をつけていきますから、残ったものは苦戦しましたね。

――やはり村上春樹が一番書きやすかったものですか?(笑)

神田 そうですね(笑)。本の前書き・後書きは両方とも村上春樹なんですが、前書きを菊池くん、後書きを自分が担当しまして。最後に書いたんですけど、すごく楽しかったです。

菊池 僕も楽しかったです(笑)。逆に苦労したのは……(レイモンド)チャンドラーですかね。ちょっと油断すると村上春樹になっちゃうんです(笑)。清水俊二訳をベースにしたんですが、うっかりすると村上春樹に寄っちゃうんですよね。

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