―― 信頼を積み上げていくって大事ですね。ではちょっと気が早いかもですが、来年のTVシリーズ第3期についてもお聞かせください。こちらもオリジナルなんですか?
後藤 いえ、オリジナルの話と原作準拠のエピソードとのミックスになっています。
―― では、スタッフさん方もまた渋々山にロケハンへ行っているわけですね。
後藤 ハハハ。これが実はまだでして、これから行かなきゃならない。もうすぐ真夏の暑い時期になってしまいますから、早く行こうよと言ってるところです(笑)。
ロケハンには僕もなるべく行くようにしています。平日に2泊する山行とかだと難しいですけど、せっかく10万円ぐらいかけて登山グッズを全身揃えましたから(笑)。
―― そういえば、いわゆる主要スタッフさんに変更はないんですね?
後藤 ほとんど一緒です。今も本読み、シナリオ打ち合わせをやっていますけど、山本監督とふでやすかずゆきさん、キャラデザの松尾祐輔さん、あとはエイトビットのスタッフさんというメンバーでやっていますね。
―― 原作のしろ先生は、どんなスタンスで参加されているんですか?
後藤 最初にご挨拶させていただいて方向性をご相談させていただいて、あとはシナリオや絵コンテをチェックしていただいてます。1、2期あわせてもう30話以上もご一緒にやっているので、信頼していただいているというか。アニメオリジナルのお話も、これは僕らの勝手な思い込みかもしれませんけど面白がってくれているようです。
―― お話を聞いてきて、『ヤマノススメ』OVA&第3期の制作は後藤さんの粘りの賜物なんだなと思いましたが、なぜそこまで頑張れたのか、アニメ『ヤマノススメ』の一番好きなところって、どんなところですか?
後藤 え、どこなんだろう……。う~ん……僕がアニメ事業に携わるとき、勉強しなきゃと思って、細田守さんと片渕須直監督とのトークショーというか講演を聞きに行ったんですよ。その時、片渕監督は『マイマイ新子と千年の魔法』についてお話しされていたんですが、片渕監督の取材ってすごいじゃないですか、現場に行って、当時の資料も調べ尽くして、アニメの中でその空気を再現されていて。
―― 去年話題になった『この世界の片隅に』も、その辺がものすごいですものね。
後藤 そうそう。それに感動したんですよ、お客さんに伝わるかどうか分からないじゃないですか。それでもここまでやるんだと。自分が携わる作品も、そういう作り方をしてくれたら、作品に対して一生懸命向き合ってくれたらうれしいだろうなと思ったんです。
山本監督は、まさにそういうスタイルで『ヤマノススメ』に向き合ってくれたんですよね。その後、ある程度業界のことがわかって、そこまでやってくれる監督さんは、業界にもそれほど多くないということを知って。他スタッフさん方も作品に対する愛があるし、お客さんも応援してくれている。そこが好きです。
―― 登山で飯能市にはちょくちょく行きますけど、『ヤマノススメ』ファンの人をよく見かけるし、地元の人も熱い。熱心でコアなファンが多い作品だと思います。
後藤 ありがたいです、本当に。今後、さらにその輪が広げられるとうれしい。また僕たちが、新規事業でアニメを始めたとき――『てーきゅう』『ヤマノススメ』『まんがーる!』をほぼ同時期に始めたんですけど、やはり最初は試行錯誤で、なかなかちゃんとした営業体制ができてなかった部分もあったかなと思うんです。そういう意味でも、『ヤマノススメ』は可能性がある作品だと感じていますし、大事にしていきたい作品ですね。
■アニメ『ヤマノススメ セカンドシーズン』公式サイト
http://www.yamanosusume.com/
・公式Twitter:@yamanosusume
(C)しろ/アース・スター エンターテインメント/「ヤマノススメ」製作委員会
祝・OVA&TV第3期決定! 『ヤマノススメ』、待望の続編制作決定にはどんな苦労が!? 後藤裕PDインタビュー!!のページです。おたぽるは、インタビュー、アニメ、話題・騒動、阿澄佳奈、ヤマノススメ、後藤裕、井口裕香、インタビュー、山本裕介、ヤマノススメ おもいでプレゼント、松尾祐輔、石井スポーツ、飯能市の最新ニュースをファンにいち早くお届けします。オタクに“なるほど”面白いおたぽる!
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