―― 飯能や秩父、あと作中に登場した三ツ峠や谷川岳では、たまに『ヤマノススメ』グッズを持ったハイカーを見かけますよ。あとグッズが出るたびに、新しい版権イラストもしっかり描き下ろされているのがすごいなと思ったんですが。
後藤 スタッフにも作品が好きな人が多かったんですよね、『ヤマノススメ』は。別作品の現場で会っても『ヤマノススメ』の話をしたり。キャラデザの松尾祐輔さんも空いていれば積極的に描いてくれました。
―― もともと関係も良好なうちに制作委員会が解散できたし、散らばったスタッフさんたちが愛着を持ってくれていたからマメに更新できたと。後藤Pの有能さゆえですね?
後藤 あ、まったくそれはないと思います(笑)。僕は先ほども言ったように電話するだけでしたから。まわりのところを広げていく作業は頑張りますが、内容に関してはスタジオさんやスタッフさんにお任せ。なにせ最初のころは、キャラの名前を取り違えていたぐらいですから(笑)。
―― ゴチャ混ぜになってしまっていたと(笑)。
後藤 ひどい話ですけどね(笑)。また、最初にキャストを決めようとあった時、自分としてはあおい役を阿澄佳奈さん、ひなた役に井口裕香さんと、監督に提案したりしていたんです。ところ逆になって帰ってきて、あれーって思って。そこでより混乱したのかもしれません(笑)。
―― あおい・ひなたの、“配役が逆なのでは”論争は、放送前は声優ファンの間ではありましたね(笑)。ところが、いざ始まってみたら定着した。それはやっぱり音響監督と山本監督の眼力、聴力のたまものですね。
後藤 本当ですよね。2期のBlu-rayの特典映像エピソードで、一度だけ役を交換してもらったことがあるんです。失礼に当たるのかもしれないけど、逆だったらどうなのか一回聞いてみたくて。そうしたらやっぱりメチャクチャ違和感がありましたね(笑)。お2人ともうまいですから、最初からそれで進んでいたらよかったのかもしれないですけど。
■OVAはアニメオリジナルエピソード!
―― まだ詳細を語れない部分も多いと思いますが、今秋のOVA、そして来年に放送されるTVアニメ第3期。それぞれの内容を少しずつでも教えていただけないでしょうか。
後藤 そうですね……まずOVAは『ヤマノススメ おもいでプレゼント』というタイトルどおり、「おもいでを一緒に作ってゆきましょう」というテーマのもと、キャラクターたちがちょっと過去の思い出を振り返ってみる、という内容になります。
―― 総集編っぽい感じですか?
後藤 いやいや、新作です。OVAはオリジナルのストーリーで、スタッフがやってみたい、挑戦したいものを作ってみようと。
―― もちろん肉付けはされていましたが、基本、TVアニメ1、2期は原作に忠実で、アニメオリジナルは2期の最終回ぐらいでしたよね。
後藤 そうですね。で、TVアニメ第2期は夏の終わりぐらいまでで終わってるんです。OVAでは夏の終わりから秋にかけてが舞台となります。凄くいい話が出来ていますよ。僕なんか、絵コンテを見てちょっとうるっときちゃいました(笑)。
―― 劇場で見られるというのも楽しみです。
後藤 最初は劇場でやろう、というつもりはなかったんです。2期と3期との間があまりにも空きすぎるから、ちょっとその中間に、OVAか単行本の特典映像として作ってみよう、という感じだったんです。
でもせっかくやるんだから、少しでも『ヤマノススメ』が広がることをやりたい、オリジナルをやってみよう――というようなお話をしたら、先ほども触れたイオンシネマさんが前向きに検討してくれて。劇場で上映していただくことになったんです。
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