―― 具体的な数字は触れないとしても、第1、2期のBlu-ray、DVDの売上げはいかがだったんですか?
後藤 1期は5分アニメとはいえなかなか売れました。その後、さらに新装版(Blu-ray:4,000円 DVD:3,000円/税別)を廉価でリリースできて、おかげさまで今でも地味に売れ続けてくれています。
2期も大体同じくらいの数ですね。弊社としては合格点なんですけど、委員会としては「売れたからやりましょう」ともろ手をあげて3期へ、という数字ではないです。誰かが言い出だせばやろうかな、ぐらいで。
一方でグッズはずっと売れ続けているし、ふるさと納税(埼玉県・飯能市)のお話もいただくし、ラジオも応援してもらえるし、何だかんだでずっと動き続けている。こうなると、なんかこのまま終わらすのはもったいないよねっていう気運が委員会の中で高まりまして。
―― 昨今は配信も重要だと思いますが、配信事業のほうはいかがだったんですか?
後藤 5分とか15分の短い作品は、配信や海外であまり高額で買われないんですよね。作品のクオリティがどうこうではなく、ショートアニメ自体の扱いがあんまりよくないんです。それでもヤマノススメは徐々に引き合いが増えていって最終的には何十カ国かで放送・配信していますけど。
ショートアニメは、再生回数自体は伸びたりするんですが、やはり配信業者にとってもショートアニメのプライオリティーは高くありませんから、どうしてもパッケージで勝負というところがありますね。
■待ち構えていてくれた飯能市&石井スポーツ
―― 先ほどのお話にも出ましたが、イベントを展開したり、グッズを頻繁に発売されていたのが印象的です。
後藤 イベントはいうほどでもないと思いますよ。公式としては先月(6月3日)の「『ヤマノススメ』 公式 ファンミーティング』が、久しぶりのイベントでしたから。これはもうTVアニメ第3期&OVA制作という大ニュースを発表するためのものですし。
その前、3月のイベント(『ヤマノススメ』イオンシネマプレミアム上映会&トークショー)は、イオンシネマさんがやりたいということで仰ってくれて、進めていただいたものなんです。以前、2期の一挙上映をやらせてもらったんですが(14年9月24日、イオンシネマ板橋)、動員もよく、会場でグッズも売れたみたいで、それまでにイオンシネマさんでやってきたイベントの中でもかなり数字が良かったらしいんですよ。
それ以来、『ヤマノススメ』にいい印象をずっと持ってくださっていて、またなにかやりましょうよと仰ってくれていたのが、今年3月のイベントにつながったんです。
―― そういった製作委員会の外からの引き合いは結構多かったんですか?
後藤 そうですね。飯能市のみなさんが市のお祭り(「飯能納涼花火大会」など)に招いてくれたりとか、製作委員会主体ではないケースも多かったです。
―― 地元とがっちり結びついた印象がありますが、最初からそういう狙いだったんですか?
後藤 それはそうですね。僕は大河ドラマが好きなんですが、舞台になった土地へ行くと盛り上がっているじゃないですか、去年の『真田丸』の信州しかり。やはり映像に携わっている者としては夢なんですよ、何かしら人の役に立てられるというのは。
もちろん、儲かりたいというのもありますけど(笑)、どこかでやっぱり自分を作っているもので地方などに貢献したいというのが心のどこかにあって。アニメ化が決まった時にすぐに電話したんです。
祝・OVA&TV第3期決定! 『ヤマノススメ』、待望の続編制作決定にはどんな苦労が!? 後藤裕PDインタビュー!!のページです。おたぽるは、インタビュー、アニメ、話題・騒動、阿澄佳奈、ヤマノススメ、後藤裕、井口裕香、インタビュー、山本裕介、ヤマノススメ おもいでプレゼント、松尾祐輔、石井スポーツ、飯能市の最新ニュースをファンにいち早くお届けします。オタクに“なるほど”面白いおたぽる!
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