消え行く昭和のエロに思いを馳せて…『あの日のエロ本自販機探訪記』著者インタビュー

zihanki07.jpg高校生が実に入りづらそうな自販機。「アルバイト募集中」の貼り紙も

――高校生ぐらいの子が入り口前でためらっていたなんて、微笑ましいエピソードもありましたね。

黒沢 今はスマホでなんでも見られるのに、可愛いですよね(笑)。自販機でエロ本を買いに行くときのドキドキ感、買ったあとの充足感に年齢は関係ないんだなとも思いました。ただ、お客さんとして多いのはやっぱり高年齢層です。

――自販機の土地を貸している地主の方や管理をしている高齢の方などにも出会われていますよね。

黒沢 印象に残っているのは山口県の自販機で出会った管理人代行のおばちゃんですね、「あんた(管理を)やらない?」なんて、聞かれたりして。

 なんというか……エロ本自販機に土地を貸しているような方は、実は地元で疎まれていたりするのではないか、なんて考えたりしていたんですけど、全然そんなことなくて。さばけた人が多かったし、後ろめたく思っていたりもしませんし、自販機の周りに花壇を作って花を植えたり、植木鉢を置いてみたり、駐車場の草を抜いてくれたりしていて。

 土地のいいおじいちゃん、おばあちゃんがほとんどで、業者の方とも気軽に挨拶をしあっていたりする方もいましたね。

■印象に残った数々の自販機たち

――全国津々浦々、自販機を巡られているなかで、印象深いものはありましたか?

黒沢 まずは「宇都宮市徳次郎町」(P.86)でしょうか。ネットで情報を得て行ってみたところ、鍵のかかった小屋に「営業時間夕方6時から朝6時」という張り紙がありまして。これはと思って、夜に出直したら、ちゃんと扉が開いていて、アダルトDVDを売っている自販機が小屋の中に鎮座していた、なんてこともありました。

――毎日ちゃんと鍵の開閉をやっているということですか?

黒沢 「アルバイト募集」の張り紙もありましたから、定時に鍵を開け閉めするだけのバイトがいるんだと思います。

 行ってみて驚いたのは「おもしろ館 妙高市姫川原店」(P.158)でしょうか。これは橋の上なんですよ。川に架かっている、地面からの高さも結構ある橋の横になぜかエロ自販機小屋がありまして。ストリートビューを見た段階では、なぜこんなところに? と思ったんです。現地に行って、裏から見てみてようやくわかったんですけど、そこは建物の2F部分なんです。2Fが橋に面していて、そこの踊り場のような場所に自販機を置いていたという。これ、隣の建物、多分母屋だと思われる建物なんかは半分崩落しているんですよ(笑)。先ほどのとは逆で、夜に行っていたらこんな構造になっていたことに気づかなかったでしょうね。

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zihanki06.jpg「おもしろ館 妙高市姫川原店」。上:2F部分が自販機スペース 下:半壊している母屋

――なんでこんなところに? という場所はやっぱり家賃が安いんでしょうか。

黒沢 それもあると思いますが、あとは建築基準法に引っかかるから家などを建てられない場所に自販機が置かれているケースもありましたし、これは明らかに違反しているだろうなという建物もありました(笑)。元々なんのために作られたのだろうと、不思議に思う建物もありましたよ。

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