【アヌシー2017】『パトレイバー EZY』『PLUTO』新作情報ラッシュの裏で、あの作品は? 映画&Web同時配信作の是非を問う声も

■『GODZILLA 怪獣惑星』『PLUTO』……『ルーのうた』以外にも注目作続々!

 6月12日から17日(現地時間)までフランス・アヌシーにて開催されたアヌシー国際アニメーション映画祭。長編部門で、湯浅政明監督の『夜明け告げるルーのうた』が、『平成狸合戦ぽんぽこ』以来、22年ぶりのグランプリ(クリスタル賞)に輝いたことが話題となった(記事参照)。

annecy171.jpg画像:『パトレイバー EZY』(真木太郎・ジェンコ代表取締役のTwitterより)

 賞の行方を占うコンペ作品の上映以外でも、事前に公開されていたプログラムには、『ゴジラ』シリーズ初のアニメ化として期待される『GODZILLA 怪獣惑星』や、久々の新作発表で国内外のアニメファンが驚かされた、『劇場版マジンガーZ』(仮題)の最新情報も公開されるとあって期待されていた。

 一方、映画祭で併催されている見本市「MIFA」では、ジェンコの出展ブースが注目を集めていたようだ。というのも、映画祭初日に新作タイトル『パトレイバー EZY』『PLUTO』のビジュアルがブースに貼りだされたため。『パトレイバー EZY』は『機動警察パトレイバー』シリーズの最新作、『PLUTO』は『鉄腕アトム』から「地上最大のロボット」を原案に浦沢直樹が描いたマンガを原作とするアニメだ。

 明らかにされたのは『パトレイバー EZY』『PLUTO』というタイトルと仮のビジュアルのみなので、詳細はまだまだ先の話になるという(ジェンコのプロデュース作品としては『この世界の片隅に』も知られるが、今回コンペの長編部門で審査員賞を獲得している)。

 反面、昨年メガヒットとなった『君の名は。』の名がコンペにないのを不思議に思う声も、ネット上では散見された。実はコンペにエントリーするには、フランス国内で未公開という条件がある。『君の名は。』は昨年末にフランス国内で一般上映されているため、エントリーの条件を満たさない(仮に昨年エントリーするにしても、締め切り時期には作品が完成していなかった)。

annecy172.jpg画像:「アヌシー国際アニメーション映画祭」公式サイトより

 なおコンペに関しては、5月に開催された“親元”のカンヌ国際映画祭で、映画の定義を改めて問いかける事態が発生していた(アヌシーは、カンヌからアニメーション部門が1960年に独立して現在に至っている)。フランスでは映画公開から36カ月はストリーミング配信ができないという法律があるのだが、さらにカンヌは来年からコンペのエントリーに際して、配信より先に映画館で上映するよう規約を改定した。

 つまり来年以降、Netflexが製作に関わった作品はカンヌに出品するためには、必ずフランスの国内で公開され、さらにその後3年も映像の配信ができない、ということになる。

 事の発端は、今回初めてカンヌの長編部門に配信大手の「Netflix」の出資作品(韓国とアメリカの2作品)がノミネートされたこと。問われたのは映画館での上映と配信を同時展開している点だというが、同様に制作へ出資している「Amazon」が協力的であったのに対し、「Netflix」とは折り合いがつかなかった。今後「Netflix」の出資作品が、カンヌにコンペのエントリーを許可されることはなさそう。

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